集英社新書<br> 「イスラム国」はテロの元凶ではない グローバル・ジハードという幻想

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集英社新書
「イスラム国」はテロの元凶ではない グローバル・ジハードという幻想

  • 著者名:川上泰徳【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 集英社(2017/02発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087208627

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内容説明

2015年11月のパリ同時多発テロ以降、世界各地にテロが拡散している。ダッカでは日本人7名も犠牲となった。いまや世界中の街角が「戦場」であり、我々も「標的」の一部である。それらは、中東で凶行を繰り返す「イスラム国」が裏で糸を引く、恐るべきグローバル・ジハード戦略だ……というイメージが流布しているが、果たして真実なのか? 本書は、長く中東報道に携わる著者が一連のテロを分析し、「イスラム国」の関与の有無を緻密に検証。そして、テロのグローバルな拡散は、中東情勢に誤った対応をとり続ける欧米にこそ責任があると立証する。【目次】はじめに/第1章 世界に拡散するテロと「イスラム国」の関係/第2章 「イスラム国」とグローバル・ジハード/第3章 「イスラム国」とアルカイダ/第4章 「イスラム国」とアラブの春/第5章 「イスラム国」を支える影の存在/第6章 スンニ派の受難とテロの拡散/第7章 「イスラム国」と中東への脅威/おわりに/参考文献

目次

はじめに
第1章 世界に拡散するテロと「イスラム国」の関係
第2章 「イスラム国」とグローバル・ジハード
第3章 「イスラム国」とアルカイダ
第4章 「イスラム国」とアラブの春
第5章 「イスラム国」を支える影の存在
第6章 スンニ派の受難とテロの拡散
第7章 「イスラム国」と中東への脅威
おわりに
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

20
「アラブの春」を目の当たりにしたジャーナリストが、「イスラム国」について論じた書。「イスラム国」がグローバル・ジハードを言い出したのが2014年以降に過ぎず、それまでに勢力を伸ばし、支配地域の人々を掌握できた理由を見る重要性を説く。元凶のひとつがアメリカのイラク侵攻で、シーア派政権成立後追い詰められたスンニ派が「イスラム国」に合流、そこには治安関係者もいたという見立て。もうひとつが「アラブの春」で解放されたノンポリ若者の高い失業率等へ不満が、厳格なイスラーム主義に流れ込んでいったという見方。傾聴に値する。2017/05/24

coolflat

17
欧米でも日本でも、イスラム国が中東の混乱を引き起こしている最大の原因のように思われているが、イスラム国は第一義的には混乱の原因ではなく、混乱の結末である。その混乱は、米国による誤ったイラク戦争と、誤ったイラク駐留によってもたらされ、さらに自由も平等もない世界の強権体制に対する若者たちの反乱である「アラブの春」への暴力的な封殺が帰結したものである。またイスラム国をめぐっては「グローバルジハード」や「グローバルテロ」という認定が広く行われているが、これもまた米欧とイスラム国自身によって醸成された幻想である。2017/06/20

乱読家 護る会支持!

6
フランスなどによるシリアでの空爆による民間人死者は、1200人以上。 「スンニ派の受難」。イラクの国庫収入の95%が原油に依存し、原油は南部のシーア派地帯と北部のクルド人地域にある。原油生産は、スンニ派の生活には還元されていない。 若者達がジハードに参加する理由は、「カリフ国の実現」よりも「苦境にある同胞への支援」。。。 もし日本が貧しい国になり、そして異国からの空爆で仲間や家族が殺されたとしたら、、、ほんの少しだけ、イスラム国の事が、自爆テロリストの気持ちがわかるかも。。。2017/06/10

のぶ

2
書名は大仰だけど読んでみたら大したことは書いてなかった、という本も多いので、もしかして本書もそうかなと思いつつ読み始めてみたら、あらら川上さんごめんなさい、実に深い内容の本でした。アラビア語の地名や人名や組織名や馴染みのない概念が山ほど出てきて、物理的には軽量だけど読了まで苦労する本でしたが、ともかくこの書名で伝えたかったこと、私がこれまで何を判ってなかったか(の大筋だけ)は理解できました。(彼らの言葉で)ターグートである欧米諸国の都合でひかれた国境線、を含めた複雑な状況の結果だったということのようです。2017/05/12

oooともろー

2
「イスラム国」は中東の混乱の原因ではなく結果。自分の認識がいかに浅いものだったかが分かった。2017/02/24

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