内容説明
タワーマンションの最上階に暮らす売れっ子作家・珠美は人生の絶頂。一方、売れない作家桜子は安マンションで珠美を妬む日々。あの女さえいなければ――。ところが、珠美がマンションから転落。女たちの運命が逆転した……が、それは悲劇の始まりに過ぎなかった。次々現れる怪しい女、女、また女。女がいるところに平和なし。真梨ミステリの真骨頂!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yunemo
182
未消化のまま読了というのが実感。二人の女流作家の単なる嫉妬に絡むライバル心。ごくごく単純に捉えてしまえばそれだけのこと。そうは言っても、現実の世界、妄想の世界、二つの世界の間で、気持ちの奥底を揺さぶられる感覚もジワジワと。やっぱり恨み、女の一番汚い部分だけを強調しすぎ、男と女、どちらに限らず、この感覚は少なからず持っているものでしょう。ここまで女の性を表していいの、という想いも残って。自分を一番際立たせたいという虚栄心、そのために手段を選ばず、悲劇の主人公を担う女。なんだかやっぱり寂しい、そんな想いで。2015/05/05
🐾Yoko Omoto🐾
159
単行本「四〇一二号室」改題。フジコのようにイヤミスを全面に押し出した感じではなく、サスペンス要素が強いミステリ。登場人物たちのどこか怪しい気持ちの悪い雰囲気や下ネタ描写、ストーリーの軸を巧妙に隠しながらの展開など折原一作品を彷彿とさせるような構成。特に第一章は何気ない会話や行動に何ともサラッと伏線を仕込ませてある箇所が多々あり、ラストの種明かしではかなりのやられた感を味わえた。物語に出てくる二人の女流作家の心情は真梨さんの体験が結構投影されているらしいが、垣間見せられた“作家の性”は妙にリアルで恐い。2015/05/19
nobby
150
改題前の単行本タイトル『四〇一二号室』はタワーマンションながら曰く付き心理的瑕疵物件…そこに関わる阿部定に転落死にバラバラ殺人、それぞれ口にするのは別人なれど『あの女』…うーん、全体的にごっちゃごちゃ取っ散らかって混乱しきり…語る人物こそ少ないが、時系列ズレるのに加えて夢か現実かボカされるのが消化不良…後日談なるラスト数頁で全て繋がり、ハッとさせられる仕掛けには納得出来る。ただ、各々の衝撃的な事件をもっとゆっくり読みたかった…相変わらず女が浮かべる優越や嫉妬などドロドロさは健在(笑)そして阿呆は男の性か…2022/02/15
milk tea
118
二人の女流作家に絡む複雑な人間関係。ラストまでが長かったれど、意外な結末だった。植物状態になっていたのは…。タワーマンションは、小説になりやすい材料のひとつのようですね。2017/01/22
ひろちゃん
117
ただ、幸せになりたいだけなのに心の中でついあの女と戦ってしまってヤキモキしているすべての女性達へ…… 古本屋で凄まじいタイトルの本と出会ってしまった。ドロドロミステリー系大好きで読んでみたけど、あまり惹かれなかった。登場人物のどの女性にも共感出来なかった。本当に女性がみんなこんな感じなのか?と疑問。特に優れた才能なくていいから、すごいイケメンと付き合えなくてもいいから、普通に仕事して、普通の優しい人と結婚して、普通に生きていきたい。理想高いか2015/10/08
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