血と肉

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血と肉

  • 著者名:中山咲【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 河出書房新社(2017/02発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309025407

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内容説明

その日私はお腹の子と共に、夜行バスに乗って東京を去った……田舎の海沿いのラブホテル「コート・ダジュール」を舞台に、女性の持つ業と痛み、そして連綿と続く「命」の連鎖を描く飛躍作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

158
タイトルと装丁にガツンとやられ、手にとった作品です。まさしくタイトルどおりであり、装丁が醸し出す雰囲気、そのままの作品でした。不倫相手の子を身ごもり、シングルマザーとして生きていくことを決意した「光海(みつみ)」、働く場所は古ぼけた海辺にひっそりと佇むラブホテル。そのラブホテルオーナーの老婆「頼子」をはじめ、働いているスタッフは皆、女性でワケありばかり。温かさはほとんどなく、ただひたすら淡々と日常を綴るその作風はかえって新鮮に感じました。'生きる'ということ、'生かされている'ということ、重い作品でした。2017/04/09

takaC

88
著者略歴の脇にあった~初出「文藝」2016年秋季号~というのを最初に見た上でそういう心構えで読んだのだが、それでも最後の展開は予想外だった。ショック大。2017/04/20

Shoji

76
どうしようもない人たちのどうしようもない物語。トラウマに満ちた過去、閉塞した現在、当てのない未来。それでも生き続けなければならない、いや生かされ続けねばならない。ラスト数ページは圧巻。読んでいる間は、ざらついた感覚がつきまとった。どんよりとして湿っぽくて重たい物語。私は好きだ。2017/05/01

fwhd8325

47
重い空気を感じながらも、前半はどちらかというとポップな印象を持ちました。突然ではありませんが、終盤にかけては、ピント張り詰めた緊張感を感じます。おそらく、このエンディングのためにすべてがあるんでしょうが、これがとてもはまります。終盤の乾いた激しさは強く印象に残ります。この世界観は狂気でも何でもない日常の切り絵のように自然に感じます。2017/05/16

cryptoryou

42
印象的なタイトルと表装に惹かれて手に取った作品、不倫相手との子供を身ごもり、田舎のラブホテルで住み込みの仕事を始める「みつみ」、ホテルのオーナーや同僚との淡々とした日常、誰もがそれぞれに罪を背負い、また背負わされながらも、そんな己に許しをこいながら生きている。どんなに、あさましく、汚らしくなっても、“血と肉”の罰を負いながら残酷な世界へ命を連鎖してゆく。「痛くて痛くてたまらなくても、簡単には死ねないようにできている、それが罰」ジリジリとした重苦しい生への渇望が詰まった物語。荒々しく雑だけど、嫌いじゃない。2017/05/19

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