- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
戦前と戦後の奇妙なまでの符合、やはり歴史は繰り返されるのか! 1890(明治23)年から1947(昭和22)年まで、全92会期が開かれた帝国議会。そのなかから歴史的事件・事象を抽出、何が話し合われ、どのように決まったかを探ったのが本書である。憲法改正、海外派兵、金融危機、震災、汚職……帝国議会(戦前)と国会(戦後)では、驚くほどの一致を見せる。大局観や識見を有した首相の言葉、命がけの議員の演説、躍動した論議は今も輝きを放つ。帝国議会が戦争を止められなかったこと、その際の攻防は、安全保障問題に揺れる現在の日本に「教訓」を与えてくれるだろう。
目次
<目次>第一章 帝国議会誕生 1 第一回帝国議会 2 足尾鉱毒事件 3 日清戦争 4 日露戦争 第二章 政党政治と内外の問題 5 ジーメンス事件 6 第一次世界大戦 7 関東大震災 8 治安維持法 第三章 恐慌とテロの時代 9 金融恐慌 10 満州事変 11 統帥権 12 五・一五事件と二・二六事件 第四章 戦争と帝国議会 13 国家総動員法 14 太平洋戦争 15 ポツダム宣言受諾 第五章 新憲法と閉会 16 敗戦と戦争責任 17 新憲法 18 最後の帝国議会 結び――現代への教訓
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
9
国会図書館のデータベースから帝国議会における様々な発言を抜粋して整理、その時代ごとの議会の役割を示そうという本。また、帯にあるように戦後の国会での発言等を対比して取り上げた部分(例えばジーメンス事件にはロッキード事件)もあるが果たして必要だったかどうか。赤尾敏の反ファシズム的発言など面白いものも多く、歴史の流れを補完する意味で有意義だったが、斎藤隆夫の「反軍演説」や、天皇機関説のやりとりが取り上げられていないのは残念。また川崎公害病の発生を1982年(提訴年)とするなど疑問点も散見されるが、労作だと思う。2016/12/08
おっくー
8
議事録等からまとめ、当時の議会、社会情勢が表れている本。よく軍国主義とかファシズムと言われがちであるが、しっかり議会が開かれていた。確かに軍部と言いますか、統帥権の問題があり軍人が台頭していく。結果的に言えば大日本帝国憲法が不完全なものであったからという結論になるが、その中でも議会が行われて、日本について政治を行っていたということは、しっかり認識するべきだと考える。2016/12/31
-
- 電子書籍
- あひるの空(4)