内容説明
さみしいとか悲しいとか切ないとか、そんなのを感じる心のひだが、全部なくなればいいのに――。ブスと呼ばれ続けた女、年上男に翻弄される女子高生、未来を夢見て踊り続ける14歳、田舎に帰省して親友と再会した女。「何者でもない」ことに懊悩しながらも「何者にもなれる」と思って、ひたむきにあがき続ける女性を描いた、胸が締め付けられる短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
109
☆5.0 赤く染まった涙が溢れてしかたがなかったのは、 さみしいとか悲しいとか切ないとか、そんなんじゃあないの。高校生のとき一緒に海に行った彼のことを思い出したわけでもないし、中学からの親友に赤ん坊が生まれたことで置いてきぼりにされた気持ちになったわけでもないの。 きっとそれは、「スーパームーン」とかいう月の引力のせい。それをあの馬鹿男は大口開けて笑った挙句「お前が泣くなんて」ってぬかしやがって。あんたなんか、月に喰われて死んじまえ! //ひたむきにあがき続ける女性を描いた、胸が締め付けられる短編集。2021/05/26
ゴンゾウ@新潮部
109
山内マリコさんが描いてる女の子達は地方都市が舞台になっている。都会に憧れる少女。都会に出てまたふるさとを考える少女。留まることを選んだ少女。彼女たちの思春期の繊細な日常や思いを描くのがとてもうまい。そして固有名詞の使い方がとてもうまい。東京ばな奈とツッカベッカライが登場するとは。2019/02/21
なゆ
84
読んだらちょっとだけさみしくなってしまう、マリコさんの短編集。いつもイメージとしては、夢見る女の子のその後…って感じ。そしていつもながら、本のタイトルが素敵。印象に残ったのは「人の思い出を盗むな」で、土田さんの思い出話からいろんな記憶が呼び覚まされてきて、なんか懐かしくて。「大人になる方法」の若気の至りの極みには悔しいやらなんやら。「遊びの時間は…」のSCセフレには、子どもの頃近所にSC出来たときの高揚感を思い出して。なんだかんだで懐かしい気持ちにもさせてくれるマリコさんでした♪2022/02/06
ワニニ
73
そこはかとなく寂しい感じが衷心にある。でも、それは“これ”っていえるものでもない。私のことね。たわいないような、良くわかるような物語がつらつらと綴られる。この小説のこと。でも、それも“これ”じゃないのに、懐かしいような、心が締め付けられるような気持ちになって、泣きそう。全然立場も環境も違うのに、何でわかるの?その先は、どうしたら良いのかわからないんだけれどね。おどけてみたり、吹っ切れた気がしたりもするけれどね。それにしても、そんな気持ちの人たち、けっこういっぱいいるんだ。タイトルに掴まれ、一気に読んだ。2017/03/07
エドワード
57
平成時代が終わるね。この30年、情報機器やメディアが急激に変化し、コミュニケーション自体が変わったね。そんな時代に生まれた若者たちを描く山内マリコさん、相変わらず鋭い。「大人になる方法」「遊びの時間はすぐ終わる」タイトルだけでも意味が深い。全編に漂う、地方出身者の都会での心細さ、立場が変わってしまった同級生とのすれ違いが切ないね。「自分の感受性は永遠に年をとらないように思っていたけれど、それは錯覚で、色々なことがすこしずつ変わっていく。」そうだよなあ。若者と大人とどっちが楽しいか、それは比べられない話だ。2019/03/03
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