内容説明
上野の美術館の前庭にある《地獄の門》の前で、水曜日11時に頼みたい仕事の内容を話すと“泥棒の守護神”が現れるという奇妙な噂が。半信半疑で訪れた、造形作家TOKIWAのマネージャー篠原健。彼女が亡くなり、噂を信じたくなったのだ。「盗んで欲しいのは、あの人の遺体と一緒に棺に納められてしまうもの」。だが何も起こらない。守護神などいない、そう思ったとき何かが手元に落ちて来て──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まこみん
72
GIVERシリーズで馴染んだ日野さん。今回は美術作品と泥棒…と原田マハさん!?的な感じかと思ったら、やっぱり最後にひっくり返されました!上野の西洋美術館「地獄の門」先日通ったばかりで親近感も。事故死した造形作家TOKIWAのマネージャーをしていた篠原の願いは「遺作を遺体と共に焼かれない為にこの手に」泥棒の守護神と言われる蛙目と血縁のない娘ノラ、蛙目の妻鳩、そして愛する心を盗む専門のハインリッヒ。(全て偽名らしい)特にノラと蛙目の得体の知れないまやかしさが良い。続編有れば読みたいな。2018/05/19
はつばあば
59
ちょっと・・ってとこです。作家さんによってはとんでもない言い掛かりをつけられたり、べた褒めされたり・・様々な方がおられましょうが。登場人物のガイロメとノラは好きです2017/03/15
ゆきちん
49
上野の美術館の地獄の門の前で水曜11時に話すと「泥棒の守護神」が現れるというか都市伝説。造形作家TOKIWAが亡くなった時、彼女のマネージャー篠原はどうしても遺体と一緒に燃やされてしまう彼女の遺作を手に入れたくて、その都市伝説にすがった。…GIVERの作家さん。今回は美術品の分野で日本なのに守護神たちのキャラのミステリアスさかげんが絶妙で良かったです。物語はやっぱり、二転三転のひっくり返し。油断してると、え?なんやったん?てなるくらい。守護神たちの活躍をまた見たいです。2018/06/24
らなん
14
日野さん6冊目。2017年、文庫。美術館のある場所でお願いをすると、一生に一度願いを叶えてくれるという噂を頼りに、願いをする造形作家TOKIWAのマネージャーをしている篠原。姉弟の確執、遺産の行方などよりも、美術への狂気ともいえる思考と執着がそら恐ろしかった。2021/12/30
けいちゃっぷ
9
書店で見かけた時は『GIVER 復讐の贈与者』を読んだ直後だったので思わず購入したが、1年ほど寝かせてしまった。 遺体と共に棺に入れられて焼却されてしまう造形作家の遺作をなんとしても手元に置いて愛でたい男は、都市伝説のような美術品泥棒と会う事が叶い、遺作を手に入れることができたのだが・・・。 なんだか最初から最後まで軽い感じが。 果たして3冊目を読むことはあるのだろうか。 279ページ 2018/04/06