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内容説明
「俺はね、(部下を)5人潰して役員になったんだよ」。大手某社に産業医である著者が招かれた際、その会社の常務が言い放った言葉である。このように部下を精神的に潰しながらどんどん出世していく人たちのことを、精神科医の牛島定信氏と彼の教え子である著者は「クラッシャー上司」と名付けた。彼らには「自分は善である」という確信があり、他人への共感性は決定的に欠如している。精神的に未熟な「デキるやつ」なのだ。本書では著者は豊富な経験に基づいてクラッシャー上司の具体例を紹介。さらに精神構造、社会背景を分析し、最終章で対策を考える。(目次より)●第一章 いったい彼らは何者か――クラッシャー上司の実態 ●第二章 クラッシャーの精神構造――未熟なデキるやつ ●第三章 クラッシャーを生む日本の会社――滅私奉公の時代の終わり ●第四章 クラッシャー対策――その暴力から身を守るために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mukimi
111
期待以上の良書。新型うつは未熟うつであり未熟うつとクラッシャー上司の本質は同じだとか、声を荒げるパワハラにはまだ隙があるが理屈でネチネチ迫る「雪隠詰」は陰湿ないじめだとか、作者自身もパワハラに悩んだ経験があるのではと思う程に辛辣で痛快な筆致。良き上司であるために、自分の心を守るために、必要な知恵が散りばめられており大変勉強になった。自信も余裕もない若手の心の隙間に侵入し健康な向上心を食い荒らす、出会わなければ健やかに働き続けられたかも知れないパワハラ、それを悪と認識出来るだけでもレジリエンスは高まるはず。2023/03/14
ルピナスさん
76
40代半ばの私が新卒時には、クラッシャー上司がうじゃうじゃといて、同期に「あんな嫌なおじさんにならないでね」と話していた。私の先輩はよく立たされていて、大人ってなんだと疑問に思っていた事が忘れられない。世の中、歓迎すべき色々な変化が生まれ、クラッシャー上司は化石になっていると思いたいがそうでもないらしい。自己愛が歪んでいて、人道的でない正義が出来上がると、ヒトラーのような怪物になる。その小粒版がクラッシャー上司。利益を追求できるのは働く人の努力があるからこそ。働く誰もが自己防衛のために手に取って欲しい一冊2023/05/12
がたやぴん
63
共感できる本でも反感を持つ本でもなかった。当たり前のことの羅列にすぎない。そんな印象が強い。頂きものの更に払い下げだから読んだがタイトルからして全く興味がない。自身は壊されてないし、壊れた部下もいない。メンバーシップ型とジョブ型の話はよくわかるし、日本に馴染むかは著者と同様に感じる。もともと滅私奉公に興味がない。興味はインセンティブ。会社の金でビジネスや研究開発をさせてもらい手数料を貰う感覚で働いている。採用された時点で買われた感覚があるので、付加価値を認めどれだけ上乗せしてくれるかが楽しみなので。2017/02/25
けんとまん1007
61
いてほしくないが、どこにもいるというが実感。ただ、その感じ方も、人それぞれだと思う。そこで必要なのが、レジリエンスなのかもしれない。そこに至らないのが、ベストなのだが。ここで書かれているように、ふるまうことができればいいなあ~と思う。そこもでの、こころと身体の余裕を持てるかもポイント。2018/03/08
どんぐり
60
部下を精神的に潰しながらどんどん出世していく「クラッシャー上司」。能力があって、仕事もできる。しかし、他者への共感性が乏しく、部下を奴隷のように扱い、失敗するとネチネチと責め続け、結果的に潰していく。怒鳴りまくるおじさんの精神構造は、赤ちゃんが喚くのと本質的には似ているという。あなたのまわりにいませんか、そんな上司。ここにはクラッシャー上司の暴力から身を守るための処方箋も載っているけど、果たして知識レベルで理解できても対処できるんだろうかと思ってしまう。いちおう、健康生成論に出てくるSOC(首尾一貫感覚)2017/12/04