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内容説明
知的創造は形式的な模倣ではなく、その根本まで突き詰めることで初めて可能になる──。そんな明快な観点に立ち、一世を風靡した名テキストが遂に復活! まずは、計画の立て方、発想法、モチベーション管理といった知的生産に欠かせない土壌づくりからスタート。そのうえで、実際的な文章の書き方、読み方から批判的思考の秘訣にまで踏み込んでいく。さらに、付録としてフロイトやボルヘスなど偉大な先達が用いた手法をまとめ、自分なりの思考法を磨けるように構成した。文庫化に際しては、定評ある旧版の内容をさらに精選し、新たにコラムも増補。知的生産のすべてをこの一冊に!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masabi
21
【要旨】古今東西の巨匠から学び独学者に向けたモチベーション管理から執筆、はては考えること自体の思考を説く。【感想】再読。読み返す度に新たな発見や以前では見過ごした部分に注目すること自体が楽しい。発見したものはそのときの自分の関心事であってなにかしら有益でもあるが。論文執筆を支える方法論と科学的思考法を超えるために、の2部構成となっている。独学を人生に賢く向き合うためのものと位置付けている点は古い本ながら新鮮に映る。 2017/12/01
ほし
18
前半は情報の探索術や分析術、読書術など具体的な手法が語られ、後半は思考そのもののパターンや科学的思考の限界、合目的性のない思想についてなどが述べられています。 前半においては特に読書術が興味深く、目的に応じて試し読み、速読、精読、再読、遅読を使い分けることを勧めています。一方で、この本が単なるハウツー本、自己啓発本の枠に収まっていないのは、後半の思考そのものについての思考が語られている点にあると思います。大切なのは形を真似るだけでなく、最終的に自分なりの知のスタイルを持つことなのだと思いました。2019/06/20
みゆき
17
本書は志を立てるところから始まる。それは目的をもった思考をするため、という結論につながるかに見えた。しかし、筆者によるとそうした考え方とは別に効率を無視した創造の自由と楽しさ、そしてあやうさを持つ偶発的な思考もある。それはとても「人間らしい」。自分はそうした「浪費の思考」を減らしたいと思いこの本を読んでいたので裏切られた気持ちだった。でもよくよく考えるとこうした浪費により面白い考えが生まれるわけで…。筆者はこの「浪費の思考」によって無駄な浪費をしないために先人の例をまとめ巨人の肩にのる手助けをしてくれる。2018/05/20
またの名
16
「だからこの本は、なにも専門学者になったり、世のいわゆるチシキジン・ブンカジンになるためのノウハウ書というわけではない。むしろ、ある意味では、ぼくらの目標はもっと高いところにおかれている」と述べ、テクニックもたくさん載せているのにテクニック本に留まらない勉強の哲学を展開。ドゥルーズのような突き抜けた思想もそれを構成するのはただのひらめきだけではない多くの方法論であることをうかがわせつつ、裏側の作業は表に出てこない。ベンヤミンにバルトにレーニンに鴎外と、様々な知の熟練者からそんな作業の思想も実践も盗み学ぶ。2017/05/18
masabi
15
【要旨】論文を念頭にその作成をモチベーション管理から完成稿に至るまで知的生産の全過程を扱う。【感想】再読。今回注目したのはノート術と執筆術の章である。読んだときに欠けているものがわかるのがいい。書くことから始めたい。2016/10/07