マリー・アントワネットの嘘

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マリー・アントワネットの嘘

  • ISBN:9784062202725

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内容説明

ヴェルサイユ宮殿、グレナ社との3社コラボ企画としてヴェルサイユ宮殿の総監修・フルサポートのもと、マリー・アントワネットを主人公にした漫画を描いた漫画家・惣領冬実。彼女はいかにマリー・アントワネットに迫ったか、21世紀に刷新されたマリー・アントワネット像とはどんな人物か。20世紀の名作ツヴァイク版の小説、『ベルサイユのばら』を越えて、全く新しい惣領にとってのマリー・アントワネット像の創作秘話。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiko

79
新たな史実の解明から分かった国王夫妻の姿や、萩尾望都との対談、漫画「マリー・アントワネット」の製作の舞台裏等盛り沢山な一冊。アントワネットに関しては、これまでの嘘を覆すというよりも、これもまたひとつの姿と捉えるべきものと思う。当時のゴシップ紙とツヴァイクの描いた伝記が、良くも悪くも彼女の印象を決定付けてしまったのだろう。興味深かったのは舞台裏。ここまで徹底していたら「チェーザレ」が不定期連載なのも仕方がないなあと納得。先行発売の漫画を読んでいないと分からない部分も多いので、副読本として楽しむのがオススメ。2016/12/28

kaoru

76
漫画家・惣領冬実がマリー・アントワネットに挑んだ顛末を記す一冊。ヴェルサイユ宮殿のバックアップを受け独自のアントワネット像を作り出した彼女。その妥協なき完璧主義に『チェーザレ』が未完のような形で終了したのもむべなるかな、と思わされた。「妄想力はない」と自認する彼女は固定観念を崩す意外な事実を知ったときほど創作意欲が湧くのだと言い、その情熱にはヴェルサイユの学芸員も舌を巻く。萩尾望都との対談でも「健全な人などこの世に一人もいない。器用な異端者と不器用な異端者がいるだけ」と発言する。彼女に賛成するかどうかは→2023/10/11

50
惣領冬実もマリー・アントワネットも好きなので、ぜひ惣領さんが描いたマリー・アントワネットを読みたかったのだけど、図書館にはこちらしかなくて。漫画「マリー・アントワネット」の製作秘話。惣領さんのプロ魂が凄すぎて、ドレスや背景の細かさに感動。模様などもトーンはほとんど使われてなくて全部手作業、気が遠くなりそう。それが何コマも何ページも描かなきゃならないのだから、漫画って大変。漫画「マリー・アントワネット」を余計読みたくなった。読むってよりは絵を眺めたい。2018/02/05

ちゃりんこママ

50
惣流先生のアントワネット像についての考察と想像以上に大変だった作画のご苦労が解る一冊。こんなに大変だと続編は無理かしら?…萩尾先生と惣領先生との対談が嬉しい。惣領「アントワネット」と同時に読むと、アントワネットとルイ16世夫妻は旧弊で雁字搦めの宮廷に多少反発した、高等教育を受けた若者で、決して凡庸でもお馬鹿さんでもなかった、と思える。2017/04/20

星落秋風五丈原

48
ベルサイユ宮殿監修「マリ―・アントワネット」のメイキング秘話。通常信じられているマリ―・アントワネットのエピソードのほとんどが嘘。ベルばらの元にもなったシュテファン・ツヴァイクの弊害。ロココ調の衣装を描くのが難しかったと惣領氏。「チェーザレ」中断の理由もちょこっと紹介。皆さん書かれているように単独ではなく漫画と一緒に読むべき。2017/10/08

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