文春文庫<br> 完本 1976年のアントニオ猪木

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文春文庫
完本 1976年のアントニオ猪木

  • 著者名:柳澤健
  • 価格 ¥896(本体¥815)
  • 文藝春秋(2017/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167753658

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内容説明

1970年を境に勢いを失った世界のプロレス。なぜ日本のプロレスだけが、その力を維持し続けたのか。その謎を解くべく、アメリカ、韓国、オランダ、パキスタンを現地取材。1976年の猪木という壮大なファンタジーの核心を抉る迫真のドキュメンタリー。※電子版には文庫版に収録されているアントニオ猪木インタビューは収録されておりません。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ntahima

53
プロレスに熱中した時代がある。時は全日、新日、国際の三団体鼎立の頃。プロレスが真剣勝負だと思うほどウブではなかったが猪木の唱える“プロレス最強論”には惹かれるものがあった。二十戦ほど闘われた格闘技世界一決定戦だけは真実だと信じたかったが猪木が生涯行ったリアルファイトは1976年に偶発的に発生した3試合だけだったらしい。あんなに可憐に見えた初恋の人の素顔を克明に描き出すような執拗な筆先。私は積年の謎が解けてすっきりしたが、只今プロレス恋愛中の人には勧められない。今宵YouTubeで夢の中へ1.2.3.ダ―!2013/03/16

さすらいの雑魚

42
昨日、猪木が死んだ。出先で確認し、なに事も無い風に土曜日を楽しみ、帰宅した。大量に買い貯めてあった猪木本を読み漁り、本書がどうにも見つからず、電子版で完本と銘打たれた本書を買い直す。読みながら眠り、目覚めては読み、読了した朝。猪木の去った世界にも、朝はくる。私達の知るアントニオ猪木の伝説が、一挙に成された驚異の1976年を切り取った本書は、辛辣なところも多い傑作ノンフィクションですが、猪木へのリスペクトは隠せていない。地上最強の幻想を、一瞬であっても現とせしめた偉大な男に魅了されたのは、誰よりも筆者かと。2022/10/02

たぬきごんべい

36
プロレス、格闘技好きにはたまらなく素晴らしい本です。空手バカ一代で出てきた外国人最強空手家のジョン・ブルミンやプロレスで吸血鬼と恐れられてたフレッド・ブラッシーなど登場人物に心が湧きます。この読者メーターに登録するきっかけになった「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」この本に迫る内容です。 ミスター高橋の暴露本よりもしっかり取材してるとても深いお勧め本です。★4.52016/07/13

たらお

28
猪木が好きじゃなくても、プロレスを好きだった頃があるなら間違いなく楽しめる本。今更ながら、新日本から派生した、UWF、RINGSなども決められたシナリオに沿って行うプロレスであることを突きつけられると当時の自分を思い出し複雑な気持ちにもなるが、そこにはそうは思わせないリアルな演出があったことも事実。世紀の凡戦と言われたアリ×猪木も見たことがあるが、試合内容よりもその裏にあるレスラーとして生き残りを賭けた駆け引き、メディアを巧みに利用した戦略、猪木の覚悟とアリの誤算を知り、レスラーの凄さを改めて感じる。2017/09/09

遊々亭おさる

28
1976年、ジャイアント馬場越えに苦しんでいた猪木は、観客に勧善懲悪のファンタジーを提供するのが目的のプロレスのリング上で極めて異常な4試合を戦った。当時の常識の埒外にあった異種格闘技戦、そして相手を潰すことが目的のリアルファイト…。これらの試合が後の総合格闘技ブームを作り上げたと著者は分析する。天才の人知れぬ苦悩と苦闘を記録した伝記本の一種であると思うものの、嘘や裏切りなど黒い逸話こそがそのカリスマ性を高めて止まない希有な人。馬場が太陽ならば猪木は月、だがその光は狂気を秘めた怪しい光を放っていた。2015/08/25

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