内容説明
自閉症とは、人と目を合わせない、コミュニケーションがとれない、儀式的な行為を繰り返すなどの行動特性を示す精神障害の一つである。二、三歳の頃に発見されることが多く、その後の社会生活にいかに適応していくかは、本人や家族にとっての切実な課題である。自閉症についてはこれまで数多くの研究がされてきたが、本書で著者は「肝心なことはまだほとんど分かっていない」とし、その上で、「自閉症児は心を閉ざしている」と決めつけるのは大人の側のモノサシの押し付けであると述べる。そして「いま」「ここ」を共有し、子どもたちが見ているのと同じ世界を見ようとすることで、子どもたちが抱える身体・空間・言語感覚の障害の本質を明らかにする。他者との関わりを拒む子どもたちに、人と関わり合って生きることは快い体験であることを、全身で伝えようとする著者の姿勢は、自閉症治療には直接関係のない一般の読者にも大きな感動を与えるだろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
11
日頃発達障害の子どもたちと関わっていながら、なかなか彼らの心を理解できないままにこの本を読みました。彼らとの関わりかたについてのヒントを得られたと思います。分からないなりに成長を見せる彼らです。私は試されているのかも知れません。2018/05/07
paseri
6
自閉症について知りたくて手に取りました。実例をもとに丁寧に分析されていて、参考になりました。自閉症の子の外界に対する認識を、理解しようとすることが大事なのかな。でもそれは、どんな人に対しても同じなのだろうなと思いました。2020/07/30
がりがり君
5
頭でっかちの私にはこういう臨床例が豊富な本がありがたい。dsmのpdd-nosの記述が古いままだったり、著者の症例の偏りがあったり気になるところだが、何より著者は子供をしっかりと見ることができる人間だ。それは文章の随所に現れている。自閉症疾患における「そこ」の概念の欠落は目からウロコだったし、自閉症児が中々自我同一性を獲得でけない理由もよくわかった。障害は、スペクトラム上に分類されるのであって、この本で取り扱ってるのはごく一例であるか、中々鋭い考察を得られた。2019/10/16
みみみ
3
ひとはひとがわからない。 「わかること」というのは物事が自分の思い通りに動いてることを指しているのに過ぎないのではないか。 「わかること」にこだわりすぎているのではないか。 変化を急ぎすぎない。 自分自身も、肝に銘じよう。 2011/05/07
よしだ
1
実話の例ばかりで役に立たず2013/09/05
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