内容説明
グローバリズム、格差社会、ファシズム――日本を暴走させてきた権力を明らかにする! 明治以降、日本を誤らせてきたのは誰か? 日本を戦争の惨禍に巻き込み、アジアを侵略し、繁栄とは名ばかりの住みにくい日本を作り上げてきた本当の犯人は誰か? 精緻かつ大胆な歴史考察で、政治家、財閥、資本家が入り乱れる金脈と血脈にメスを入れ、日本近現代史の真実にせまる。これまで「常識」とされてきた事件・歴史的エピソード、「英雄」と考えられてきた人物たちの闇の部分に光を当て、現代社会に警鐘を鳴らす、すべての歴史ファン必読の一冊!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
28
目を覆いたくなる歴史もきちんと直視して教訓を学び、確実に現実へ生かしながらやっていけたらいいのに。それができない理由はなんだろうか。2017/03/05
樋口佳之
20
人脈と金脈の話は十分興味深い酷さなのだけど、事実とかなり感情的な表現の評価が入り混じっていて、かえって人脈金脈話が不鮮明になっている感。これは「持丸長者」にあたった方がいいのかも。2018/02/27
coolflat
19
明治以降を中心に『持丸長者』をコンパクトにまとめている。ただ『持丸長者』は資本家や政治家の系図、人脈を中心に描いていたが、本書はその系図は余り描かれていなく、日本史の流れに重心が置かれている。また昨今の政治情勢も所々に加筆されている。多くの識者は満州事変以降が日本の歴史のターニングポイントであり、その後軍国主義を突き進んだと言うが、そうではなく、本書を読むと「明治維新によって日本に財閥が形成されて軍国主義を育てた」という史実の経過がよく分かる。明治維新、もっとも幕末において軍国主義は芽吹いていたのである。2017/07/10
あっきー
9
✴5 朝ドラの「あさが来た」を見ていた、ストリーもなかなか面白かったし、五代友厚と大久保利通の友情と亡くなった時の酒浸りになっていたエピソードは美談で、俳優もいい男だったし…が、いい話は水面に出ている一部で水面下には何十倍の真っ黒な黒歴史が沈んでいたことが分かった、またホワイトナイト的なイメージがある白州次郎もこの本では滅多斬りだ、佐久間象山、吉田松陰、岩崎弥太郎、福沢諭吉、新渡戸稲造、吉田茂もなで斬りにされ、好きな人には頭にくる内容だ、常識がひっくり返された気分で こんなに刺激的な歴史本はめったに無い2017/02/24
ぽんくまそ
7
今でこそロックフェラーやロスチャイルドは世間の常識だが、もっとも初期の頃に財閥面から欧米に切り込んで開示してくれたのが著者である。いずれ日本の財閥にも切り込むだろうと期待していた。ただことはそれほど単純ではなく藩閥政府と三井・住友・岩崎などの大商人との間では複雑なやりとりがあり、大陸侵略のたびに国策と相まって新興財閥も勃興した。薩長クーデターから公害真っ只中での大阪万博に至るまでカネの工面や大閨閥から学び直す好著である。2020/06/01