講談社学術文庫<br> 日本の産業革命――日清・日露戦争から考える

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講談社学術文庫
日本の産業革命――日清・日露戦争から考える

  • 著者名:石井寛治【著】
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  • 講談社(2017/01発売)
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  • ISBN:9784062921473

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内容説明

製糸・紡績、鉄道、鉱山、金融。日本の近代化を支えたものは戦争と侵略だったのか? 本書は日清・日露両戦争と産業革命の関係を軸に、構造を変革する主体の姿を解明、新たな歴史像を描出する。明治の国家目標「殖産興業」が「強兵」へと転換する過程を追い、十九世紀末から二十世紀初頭にかけて世界経済の中で日本が選択した道を鮮やかに活写する。

目次

序 章 今なぜ産業革命か?
第一章 外資排除のもとでの民業育成 日本産業革命の前提(一八七三~一八八五)
第二章 対外恐怖からの対外侵略 産業革命の開始と日清戦争(一八八六~一八九五)
第三章 帝国の利権をめぐる日露対決 産業革命の展開と日露戦争(一八九六~一九〇五)
第四章 無賠償のかわりに朝鮮・満州を 産業革命の終了とアジア侵略(一九〇六~一九一四)
終 章 産業革命から情報革命へ

原本あとがき
文庫版あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takam

20
明治維新による日本の近代化は果たして長期的に成功だったのか悩ましく感じるテーマであった。日本国内で資本を集めて日本の産業を自ら立ち上げて、外資の参加を許さないという姿勢は現代でも見られる。日本の家電メーカーがアジアのメーカーに買収される際の行政の抵抗感も今に始まった話ではない。そして、ロシアからの安全保障を得るために日露戦争での多額の海外からの融資を受けた時も、賠償金だよりだったため、その融資が国内産業に回らず、太平洋戦争の遠因を作ってしまった。自立を維持するためには矛盾もやむをえなかったのかもしれない。2020/08/27

中年サラリーマン

14
とかく明治後はいかに西洋に対抗するかというある意味政治的視点で語られることが多いけれども本書は経済的視点で明治を語る良書。歴史はある意味経済で作られるのではないかと思わされる。それもこれも大量生産、グローバリズムが芽生えたこの時代を始まりとするのではないか!2014/09/16

かんがく

13
松方財政から本格化する日本の産業革命についての概説。副題にあるように、産業の発展に対して外交・戦争の要素を大きく重視する。貿易、外債、植民地などの対外的要因から産業革命に関する理解が深まった。日清戦争の開戦、日比谷焼打ち事件、朝鮮の植民地化などにおける対外硬派的な世論の重要性に着目している点も特徴である。2020/03/22

aoi

5
経済学から見る日本の産業革命。 参考文献やデータが多く、内容は濃いがとても読みやすい(それでも経済学に疎いので読み切るのに2ヶ月かかった)。 産業革命はやっぱり面白いなぁ、色んな視点から産業革命を見つめたい。 今までは世界の流れにばかり目がいってたけど、最近日本史がアツい。 捉え方が定まってないので日本近現代史はなかなか難しい、でもその分面白い。色んな画角で学んでいきたい。2024/04/25

無重力蜜柑

5
思いの外ガチガチに経済史で驚いた。金融や通貨についての知識が欠落しているのでかなり骨の折れる読書になった。日本の産業革命は1885年頃から始まり1907年頃にひと段落する。後進国だった日本は隣国清朝の惨状から海外資本の導入による工業化を拒否し、最初は江戸時代からの商人ネットワーク、その後は法的、組織的に整備した銀行による資本集中で自力の工業化を進める。その中心にいたのは三井、三菱を筆頭とする財閥ブルジョワジーであった。また工業化と並行して軍拡も進められ、議会制初期の混乱から清に戦争を仕掛けることになる。2021/09/03

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