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内容説明
議論が難しく見えるのは、その仕組みや組み立てをうまく整理できず、表面の表現に惑わされるためだ。……議論は漫画やテレビとは違い、接してさえいれば自然にその面白さに浸れるというモノではない。読むほう・聞くほうも積極的に関わらなければ面白くない。逆に言うと、一定のテクニックを持つ者にしかアクセスできないが、それが持てれば一挙に広大な世界が開ける。――<本文より>
目次
まえがき
第1部 紋切り型に抗して考える
1 対立に耐える力──癒すのは誰か?
2 循環する言葉たち──民主主義と全体主義
3 統計データを正確に読み解く──ムカツク理由はどこにある?
4 仮説とバイアス──子供は危ないか?
第2部 よくあるロジックの仕組みをみる
1 相対主義はほんとうにやさしいか──「人それぞれ」の不幸
2 美を語る方法とは──ヴィジュアルを解釈する
3 神秘と欲望の構造──対比の向こうに何がある?
4 ややこしい議論を裸にする──要約の方法
第3部 ささいな議論から根本の問題へ
1 対立する意見を評価する──なぜ人を殺してはいけないのか?
2 対立を越えて考える──弁証法を活用する
3 作業の実態にひそむ限界──歴史記述とは何か?
4 言語能力とは何か──あとがきにかえて
謝辞
さらに〈議論力〉を鍛える読書案内
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
399
けっこうおもしろい。というのも、新聞記事や著名人のコラムなどを実名を出しながら「ぜんぜん論理的じゃない!」とビジバシ批判しまくっているからだ。こういう「議論」をテーマにした本はテクニックに走ったり、抽象的になりがちだが、実際の入試試験などを用いたりして、漫然と読ませるのではなく、読者にも考えさせるような仕組みもいい。トピックスごと最期に要点をまとめてあるのも親切だ。かなりじっくり練られて作られているのが読んでいてわかる良作。2016/05/05
Kouro-hou
29
「みんな違ってみんないい」を否定する本。これが私の心にグッサリくるのは自分がよく使ったフレーズだから。当方のニッチな趣味は「そんなモノのどこがいいの」と言われる事が多く、なかなか理解されない事もあって相互不可侵条約締結をするのが手っ取り早かったのです。つまり叩きのめされるのを防ぐためにコミュニケーションを最初から放棄してたわけで、心が痛むのです。相手を叩くのではなく、より深く違う視点から対象を語り合えたらどんなに素晴らしいか。論点把握コーナーで「もちろん」が出たら暫く読み飛ばしてもいい、には吹きました。2016/06/03
saga
28
日本人は議論・ディベートが苦手だ。国語教育で重視されるのが型で、論理よりも情緒という指摘は興味深い。本書では議論力を高めるための例題とそれに対する解答を挙げて解説されるが、個別具体的な例を一般論にして理解するには相当の努力が必要だ。「歴史記述とは何か?」は特に難しかった。再読して理解を深める必要がある。2018/02/28
ATS
16
★★☆意見を順序だてて、科学的に言うことの重要性を再認識した。最も勉強になったのはみんな違ってみんないい、人それぞれというのは個人を尊重しているようにみせて、実はコミュニケーションから逃避しているという指摘だ。個人を尊重することと意見に優劣がないことは別問題である。2016/11/29
サトゥルヌスを喰らう吾輩
9
読メをやっていなければ出会わなかった本です。小論文の先生が「議論とは何か」「悪い議論とは何か」「ひとを騙すテクニックとは」といったことについて、具体的なテキストを使ってていねいに教えてくれるという本。p96"「人それぞれ」は他を尊重するようでいて、実はコミュニケーションを拒否する"というフレーズが多分、この本を読もうと思うにいたるわたくしの問題意識でした。力のある人のお説教や扇情的な広告、恣意的な報道、善意の謎アドバイスなどから身を守ってくれる一冊だと思います。文章も読みやすくてわかりやすかったです。2016/05/15
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