内容説明
本書は、フリードリヒ・ニーチェ(1844-1900年)が遺した主著、待望の新訳である。1878年の『人間的、あまりに人間的』で採用されたアフォリズム形式の集大成として1882年に出版された本書では、「永遠回帰」の思想が鮮やかに提示され、有名な「神は死んだ」という宣言が登場する。続く『ツァラトゥストラはこう言った』(1883-85年)と並び、ニーチェ思想の神髄を伝える本書を、清新かつ斬新な日本語で!
目次
第二版への序文
「冗談、策略、復讐」 ドイツ語の押韻による序曲
第一巻
第二巻
第三巻
第四巻 聖なる一月
第五巻 われら怖いもの知らず
付録 鳥のように自由王子の歌
訳 注
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いのうえかずね
75
【書評】愉しい学問 / フリードリヒ・ニーチェ / 森 一郎 訳 / 初版 1888年 / 翻訳版 2017年 / 紙版 / 講談社学術文庫 https://kakuyomu.jp/works/16816452221466841294/episodes/16816927862587188253 2022/04/17
ころこ
42
いい加減なことも書いてある。ニーチェの本に共通しているのは、多くの間違いの中に、一握りの真実が埋まっていることだろう。時としてテクストの一部のことだろうし、ある時には部分のテクストは真実味が無いが、全体として真実を言っていることもある。一部を間違っていると指摘してもしょうがない。批判というよりも非難が先立つところが反知性主義と似ている。しかし非難があれば、それだけ真実だと信じる人の強度は上がる。ハイデガーが惹かれた理由も良く分かる。あとがきに訳者があえて訳した意義が論じられていて、示唆に富む観点があった。2022/12/26
evifrei
15
大衆への皮肉と箴言に富んだニーチェの主著のうちの一冊。解説でも指摘されるが『ツァラトゥストラ』の姉妹篇的立ち位置にある著作で、ツァラトゥストラを理解するための補助線として読むのも良さそうだ。神が死んだ後とされる時代や永劫回帰についての説明が、ツァラトゥストラより丹念にされている様に思う。また、ニーチェといえば箴言・詩で哲学的思索を行う哲学者の筆頭だが、この箴言による人間理解が秀逸で、現代でも充分に共感できる内容になっている。ニーチェの時代にも承認欲求的な感情があったことに人間心理の不思議な普遍性を感じた。2020/06/29
バカボンのパパ
14
なんともいえません。読書中、ふと思ったんですが、歌手の井上陽水さんも、古典を読んで発狂されたんじゃないかと?・・どうでしょう?2017/04/05
amanon
7
それなりに著作を読んできたものの、違和感が募るばかりだったニーチェだが、本書でようやくその魅力の一端をつかめた気がする。とはいえ、理解の程はかなりあやふや…というより、ニーチェ自身が生半可な理解を拒絶するのでは?という気がする。まずはニーチェのアフォリズムがおりなす世界に浸りきるというところから始めるべきなのだろう。後、印象的だったのが、解説において訳者が本書をニーチェの主著だと述べていること。確かに本書にあの有名な「神は死んだ」という言葉が書かれているというのは、意外に知られていない気がする。要再読。2017/03/23
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