内容説明
日本倫理学会「和辻賞」受賞の力作。近世の庶民的な仏教思想を背景におきながら、死と霊魂について篤胤が展開した思想を、詳しく、繊細に読み解いた、画期的な著作、ついに文庫化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
92
平田篤胤の思想に触れることができる1冊でした。本居宣長の影響を受けたその考えは、「神」と「道」を導き出すことで、死後「霊」になるという独自のものであることが興味深かったです。仏教の考えが主流だった時代に死と霊魂を結びつけた見方は新たな哲学と言ってもいいものだと思いました。2017/02/07
無重力蜜柑
13
面白い。このシリーズは何冊か読んでいるが、特に印象に残っているのは北一輝と石原莞爾。両者ともに大雑把に言えば右派に分類される人物で「正道」の思想史で肯定的に扱われることはない。しかし、本シリーズではそんな異形の思想家達の内面へ深く踏み込み、ときに一体化したかのような筆致で彼らの「倫理」を語る。その反近代的な迫力が癖になる。平田篤胤を扱う本書もそうした作品群の一つだ。「万邦無比の皇国」を礼賛し日本帝国主義の淵源となった熱烈な国粋主義者にして狂信的な宗教家。通俗的な平田篤胤イメージといえばそんなところだろう。2024/08/11
きさらぎ
5
「篤胤自身よりも篤胤のテキストをよく読み、篤胤に迫ろうと志し」「篤胤が読んで喜ぶようなものでなければ書く意味がないと自分に言い聞かせながら」書いた、という。迫力のある、文字通り読者にも篤胤にも「迫る力」のある本である。私の勉強不足もあろうが、本書が語る篤胤の近代性についてはイマイチピンとこなかったし、筆者の仏教や儒教の解釈にもやや釈然としなかったが、辛い生立ちを持つ篤胤が己の生(霊魂)を根拠づけようとする執念や師と仰ぐ宣長への想いの描写の迫真性はすごい。篤胤について、もう一冊読もうと思わせる力作だと思う。2017/02/21
ELAT
1
篤胤は霊魂に焦点をあてることで世界や人間を説明しようとする。近現代人にとっては霊魂を論じること自体があやしいものに映ってしまうが、生と死について根源から語ろうとする篤胤の姿勢はきわめて学問的であり、彼の思想のおもしろさに結実しているように感じた。本書は篤胤の生い立ち等にふれつつも、基本的には思想内容の紹介であり、よくある篤胤への誤解を排しつつ、儒教・仏教との違いや宣長の説との違いも述べられていて分かりやすかった。2018/05/04
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