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内容説明
手の込んだ脱税が増えていく一方、マルサを希望する若手税務職員が減ったと言われて久しい。彼ら「職人」たちは、いかにして脱税を嗅ぎ取り、その端緒を掴み、大口かつ悪質の脱税をひも解いていくのだろうか? マルサの男に狙われる人・会社の特徴とは?刑事さながらの張り込みや尾行、強制調査によって脱税者をとっちめる、マルサの男たちのドラマが今、幕を開ける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
332
昔公務員を志望した頃に国税査察官の定員が多くて、気になっていたがこういう仕事をしているのかと勉強になった。まるで刑事ドラマのように張り込みをするのが印象的。2017/02/13
きみたけ
51
著者は元東京国税局査察部(マルサ)所属で税理士の上田二郎氏。税金の不公平が叫ばれるなか、公平の維持のため日夜地道な調査をしている国税職員にスポットを当て、マルサの活躍を伝えたいとの思いで出版。彼らがいかにして脱税を嗅ぎ取り、その端緒を掴み、大口かつ悪質の脱税をひも解いていくのかが分かります。映画「マルサの女」さながらの張り込みや尾行や強制調査の場面が面白かったです。ちなみに、「タマリ」で一番多いのは現金で、天井裏や畳の下、ビニール袋に入れてトイレの貯水タンクの中がよくある隠し場所だそうです😅2022/01/13
ホークス
36
「マルサの女」のリアル版で、予想を超える生々しさ。お金が有ると、税金を払うのが惜しくなるのが人間。資産も持たないサラリーマンには縁のない話だが、当然有るところにはある訳で、笑ってもバチは当たるまい。誤魔化す事を目的にした時に人間が発する下品さや滑稽さは、可笑しさと肌寒さを同時に感じさせる。時代錯誤なまでに熱血で苛酷なマルサの勤務実態もまた、脱税者とは正反対の人間の業を感じさせる。本書にはパワハラセクハラが頻出するので、誰にでもオススメはできない。でも自分も持ってたら、やっちゃうかもと正直思う。2018/09/01
kawa
22
国税調査は、一般のそれと査察とは全く異なる性格を持つ。本書はそのあたりにふれながら、最終的には脱税犯として起訴に持ち込んで厳密な司法判断を求める査察調査の過酷な実態の一部を活写する。内偵班と実施班との棲み分けとけん制等、査察組織の実態やそこで苦闘している人々の様子を興味深く読了。正直者がバカを見ない世の中を担う人々に拍手。OBになってもその精神を忘れないで・・・。2021/10/20
kotte
12
国税局の皆様が日々努力されているのがわかります。著者はサラリーマンに対する重税を指摘しますが、サラリーマンの皆様はよくわかっていなそうですね。サラリーマン全員がもう少し税について学び、サラリーマン全体の声として税制改正の要望が出せたらいいなあ…と思いました。2017/11/12