犬と鬼 知られざる日本の肖像

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犬と鬼 知られざる日本の肖像

  • 著者名:アレックス・カー【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 講談社(2017/01発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062924054

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内容説明

美しい自然、練磨された文化遺産、高度な技術、優秀な教育制度……。世界をリードするような新文明を築こうとした日本は、1990年代に失速した。明治維新、敗戦を超え、「近代化」を推進してきた日本は、本質的に「近代化」で失敗した。「有能な官僚制度」に誘導された土建国家は、伝統日本を破壊してしまった。この国の問題は、慢性的・長期的なもので、日本をこよなく愛する著者が怒りと悲しみを込めて警告する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sin

66
もうお腹一杯だ!最近テレビで頻りに日本を持ち上げるが、内実は「ここもだめだわ、ニッポン」。官僚はその是非に関係なく万歳三唱やったもん勝ち、民衆はやり遂げることに価値を見出だす国民性が仇となり立ち止まることを知らない。現在形で山や川はコンクリートで覆い尽くされていく!なぜなら自然は敵だからだ!しかし本音は天下りの利権だ!都合の良いことに自然は牙を剥いてくれる。噛む犬は殺してしまうのだ!国交省の歌として記載された1節「山も谷間もアスファルト…素敵なユートピア」日本中が巨大なピラミッドで埋め尽くされる日は近い。2018/12/31

kuririn

8
ときには猛威を振るう美しい自然とうまく共生してきた日本人、というステレオタイプな見方を壊してくれる本。著者は外国人だが、日本文化や政治、環境問題などに精通しており、何よりこの国に深い関心を持っている人物である。本書では、鬼(派手で表面だけのもの)ばかり追い求めて、犬(根本的なもの)に目を向けない日本を鋭く批判する。映画やアニメなど映像文化への言及はやや主観的で首肯しかねるが、環境や建築に関する批判には気付かされることも多い。自然災害や人口密度という「大義名分」が場合によっては方便に過ぎないと知る。2021/11/13

広瀬研究会

7
昨今の日本を称賛する風潮に慣れた頭には、かなり刺激的な内容だった。日本がいかにお粗末なことをしている国かってことが皮肉たっぷりに描かれていて、3分の1くらい読んだ時点で僕のライフはゼロになった。でもそれらは単なる悪口ではなく、日本の良いところをきちんと活かせば、もっと皆が快適に過ごせるはずなのにってことを言ってる(と思いたい)ので、謙虚に教えを請いたい気分でいっぱいだ。2019/02/10

さとうしん

5
環境や文化の保護に対する意識が低い、政府機関が発表する統計数値は嘘ばかり、国家が国民や外国向けに情報を操作し、政策への批判を妨げる、外国人が当該国を魅力的に見せるのが任務だと思っている……今の中国のことではない。原著が出版された2002年当時の日本に対する批判である。今となってはその批判の多くが中国にもあてはまる所を見ると、日本は東アジアの中では特に酷くもないかわりに、特に優れているわけでもないのだろう。著者は日本学とともに中国学も専攻していたとのことなので、今度は日中比較論を期待したい。2017/03/02

てくてく

4
ところどころ読むのがつらくなりながらも、著者の叱咤激励が面白くて最後まで読んだ。途中までは諸外国のレベルに到達しようと頑張っているにもかかわらず、ある段階から改革・改善をやめてしまって時代遅れのままの社会、もっていた自然を否定してコンクリートで覆ってしまうことの是非、ハコモノ行政、金融問題などで誰も責任を負わないおかしさなど、わかっているはずのことを再確認させられた。2017/07/06

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