内容説明
脚本界の名匠、入魂のエンタテインメント巨編
「年上の女が憧れなんスよ。駄目ですか。ラブしてくれませんか」
周囲の大事な人が次々と死んでいったことから、死神と呼ばれてきた人妻、斎（いつき）。冷え切った夫との生活に倦んでいた時、しなやかでいて荒々しい筋骨と濃密な体臭をまとった男・志田に出会う。
思いがけず落ちた年下男との恋、そして第三の男の登場。天国とはかくやと酔いしれる斎。しかしその恋と性愛が巻き起こしたさざなみは、次第に大波となって、裕福な病院長一家に集う女たちを巻き込んでいく――。その果てに惨劇と憎悪の宴が幕を開けた！
氾濫する美意識と諧謔で描く、生と性、死と詩のジェットコースター・ロマンス小説！
※本作品は、週刊文春、Kindleで連載された「真・天国の恋」を改題、大幅に加筆修正したものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青豆
17
2013年に放送された昼ドラ「天国の恋」の脚本を加筆修正した作品。大事な人たちが次々と不慮の死を迎えることから死神と呼ばれる主人公の斎(いつき)。結婚生活に疲れ倦んだ生活を送っていた彼女が年下の男と出会い恋をすることで自信と魅力を取り戻していくが、複雑に絡む人間関係が縺れ泥沼化していく怒涛の展開は、まさに昼ドラ。作者は一大ブームを巻き起こした昼ドラ「真珠夫人」の脚本家であり、強烈なセリフの応酬や、濃いキャラクターで構成する情念渦巻く世界は読んでいてお腹いっぱい。夏の暑さを吹き飛ばす強烈な作品。2017/08/07
かおりん
15
斎のどこに惹かれたのか、万引き青年との情事に溺れる。斎の実母が現れかき回される。婚家でのいびりやもう一人の青年との情事。事故死した弟の骨を入れたペアペンダントに、血の婚礼など、これは地上波でら放送できない事柄が次々とおこる。斎の魅力が感じられなかったのが残念。ドロドロの昼ドラは好きだったから、台詞はなんだか懐かしかった。週刊文春連載作品。イラストがレトロ。2017/11/14
図書館ポイズン
5
面白そうだったので図書館予約したのですが、私にはあまり合わなかったので雑読みで終了2017/03/20
rosetta
5
★★☆☆☆ああ面白かった！wもちろん狙ってゲスをしているのだろうが、『真珠夫人』や『牡丹と薔薇』のシナリオの人と聞けばなるほど頭の悪い専業主婦が喜んで見そうなクソ下らない昼ドラの世界だ。いや、テレビではまだまだ生ぬるかったのだ。全員頭がイカれているが、特に斎の母親は新興宗教にも狂ったマジキチ。いくら院長の元愛人とは言えこんなのが総師長をしている病院なんか誰も行きたくないだろうに、設定がおかしい。大仰な言葉使いもそこらで何度も見たことがありそうな展開も時代遅れ感が半端なく、反感を感じるばかりなのが快感になる2017/03/18
世玖珠ありす
2
『牡丹と薔薇』『真珠夫人』の作者だけに、昭和浪漫ただよう一冊。「エロス」と「タナトス」の世界でした。実写化するなら壇蜜しかいないでしょう！2017/05/31
