角川文庫<br> 週末カミング

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角川文庫
週末カミング

  • 著者名:柴崎友香【著者】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • KADOKAWA(2017/01発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041048276

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内容説明

30代で独身、恋愛、結婚に縁がなく、平日は生活のためにひたすら働いている女たちの何気ない日常がこまやかな感性とともに描かれている。だからこそ、週末のどこかへの旅が特別になる。
ひょんな事故から乗り合わせることになったドライブ――日常からふっと「週末」ぐらいの距離感で抜け出したその先にあるもの――。

「一瞬一瞬が奇跡的。その懐の深さが、私は泣きたくなるくらい好きだ」瀧井朝世(ライター)さんが本書の解説に寄稿。芥川賞作家が見つめる、見慣れたはずの風景が違って感じられる8つの物語。

「野性時代」「デジタル野性時代」に掲載した短編に、「モンキービジネス」に掲載、英語版にも載っている「海沿いの道」、「わたしがいなかった街で」につながる「ハルツームにわたしはない」も収録した全8篇。どれも週末にまつわる話です。(著者オフィシャルサイトより)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

482
同じく在米の読み友さんが、日本で買ってきてくれたこちらを、友情に感謝しつつ。週末を共通のモチーフに、どれも身近にいそうな人物が主人公。なんといっても彼らの日常の切り取りがうまい。そのうまさにはからずも読者が惹き込まれる。どれも好みの感じだが『なみゅぎまの日』は思わずわたしも不思議な体験をした受験日を思い出した。読み終わった今でも「なみゅぎま」の意味はわからないけれど。各作品ともブチっと終わる感じが好き。読者に丸投げ的な、ね。2022/11/07

hiro

85
『きょうのできごと』、『…、十年後』、『次の町まで、…?』など、一、二日の日常を切り取って描いた柴崎さんの作品が好きだ。この本も日常を切り取った八編の短編集だが、すべて“週末”の日常ということが共通している。もちろん、日常といっても主人公たちにとっては、記憶に残るような週末が描かれているが、やはり『きょうのできごと』のような続編もあり映画化もされ、読者も感情移入して懐かしさを感じるような作品と違い、残念ながら短編ということもあって心に残ったとは言えなかった。ただ再読すれば印象が変わる作品かもしれない。2020/05/04

62
短編集。ページ数が少ない割に読むのに時間がかかってしまいました。全作品何が言いたいのかよくわからなかったし、楽しい週末に向けて・・という話でもないし前向きになれるかと思えばそれほどでもないみたいな話ばかりでした。どの作品の主人公も自分の中での哲学的な考えを持っていて周囲の人にわかってもらいたいわけではないので自分の中でだけ消化するようなキャラで何かわかる気もしました。周囲とのかかわり合いや日常の風景からこんな考え方もできるのだなと思えました。『つばめの日』『ここからは遠い場所』が良かったです。2017/04/15

kei302

60
柴崎さんのエッセイなのかと思ってしまいそうな8人それぞれの週末の出来事。 車が故障したり、受験が終わった日だったり、元家庭教師先の家族と出くわしたり。普通なのです。柴崎さんなので、当然、キラキラ感は皆無、いわゆる「女子力」も低空飛行です。なのに、「なんでもない日常なんてない」(解説:瀧井朝世)。どこを掬い上げても物語として成立する。『地上のパーティー』タワマンに集った意識高い系の人たちのパーティーに参加した話が面白かった。2021/11/29

penguin-blue

41
何でもない普通の週末…ずっと一週間働いて、さあ週末だ、と意気込む割にはなんだかんだいろいろあって理想通りでなく過ぎちゃったり、特にいいことがあったわけではないんだけど妙に心に何かを残して行ったり…でもやっぱり週末が近づくとちょっと高揚感。そんな等身大の週末を描いたアンソロジー…なので、何らか共感するものがあるかなあ、と期待したんだけどうーむ。全く見たこともない世界でもない割にはシンクロもせず、かといって遠く憧れる週末でもなく、引っかからず水のように流れて行ってしまった感じでありました。2017/02/28

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