内容説明
武田信玄の許で育った名将・真田昌幸が、己の生涯を投影して一人の稚児を育てる。武田から真田へ、そしてさらに受け継がれる最強の系譜。武将と強力家臣団との固い絆を描く本格歴史小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
38
別のサイトの献本で頂いた本。たぐいまれな戦国武将に愛された稚児が、美しくもたくましい武将となって、戦国の世に名を馳せる。夢破れたかに見えた老将は、いまだ夢を捨てず、かつての己に似た美しく「腕白な」稚児を男にする。稚児の話も、こんな風に描かれれると、なんと男っぽくなることか。陰に籠ったところがなく、さわやかで明るい風を感じる本だった。ヤングアダルト向けの軽めの話だが、軽すぎずおもしろく読めた。ただ、「君」「僕」の呼称はないなあ。2016/01/31
onasu
27
関ヶ原の戦いの後、高野山に流され麓の九度山に住まう真田昌幸。その身の回りの世話に、高野山僧侶より遣わされた衆道の美少年:千手(センジュ)。 昌幸は同い年の頃、信玄公のお側衆として仕え始めたことを思い出し、自らが寓されたように接していく。それと並行して語られる昌幸の眼から見た信玄の戦い。 大きな戦に備えた暮らしは、九度山での真田父子も秘めていたこと。それを探りに長く留まる伊達家の重臣片倉小十郎。平穏な暮らしが続く様にもみえたが…。 濃い作品ではないが、キャラの異なる大河「真田丸」。時機は得たか。2016/06/16
星落秋風五丈原
26
物語は1.九度山蟄居の日々―現在2.昌幸の回想―過去の二本立て。2の方は大河ドラマ『風林火山』1の方は水曜時代劇『真田太平記』のいくつかの場面を想起させる。BL要素ありと聞いていたが、言葉責めもなく、その場面はさほど濃厚ではない。BLと意識せず普通の歴史小説として読めるレベルだと思う。昌幸、信之(会話の中にのみ登場)はほぼ今までのイメージを覆さない。昌幸を通して描かれる信玄もいい漢に描かれている。唯一従来のイメージを少し逸れていた信繁も大いくさの前に株を上げてきた。真田好き、武田好き、戦国好きの読者向き。2016/02/12
よしひろ
11
真田家の戦国譚。現代小説のような感覚で読める。少年のようなあどけなさも感じる場面がある。2016/01/20
よしひろ
9
再読。戦国時代の殺伐とした感じというより、爽やかな風を感じた。2016/02/16