日本経済新聞出版<br> 経済と人間の旅

個数:1
紙書籍版価格
¥2,200
  • 電子書籍
  • Reader

日本経済新聞出版
経済と人間の旅

  • 著者名:宇沢弘文【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 日経BP(2017/01発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532356255

ファイル: /

内容説明

・行動する知識人の唯一の自伝。
「私は経済学者として半世紀を生きてきた。そして、本来は人間の幸せに貢献するはずの経済学が、実はマイナスの役割しか果たしてこなかったのではないかと思うに至り、がく然とした。経済学は、人間を考えるところから始めなければいけない。そう確信するようになった」――。2014年9月に亡くなった行動する経済学者、宇沢弘文氏。2002年3月に日本経済新聞に連載したものの、長く入手困難だった唯一の自伝「私の履歴書」の単行本化です。弱者への思いから経済学を志し、人間の幸福とは何かを追求し、教育、都市、環境といった社会的共通資本を重視する発言を行ってきた、行動する知識人の記録です。「やさしい経済学」「経済教室」など日本経済新聞に掲載された主要な論考も収録し、宇沢氏の考えのすべてが理解できる一冊です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

25
速水融先生は近世日本経済史の第一人者で、おじさんには三木清、東畑精一がいた(22頁)。旧制高校で『国富論』、『自由論』、『経済学および課税の原理』、『人口論』、『資本論』、『経済学原理』、『有閑階級の理論』が必読だった(45頁)。シカゴ大学にはツヴィ・グリリカスという計量経済学の泰斗がおり、T・W・シュルツの下で農業経済学を学び、博士号を取った。宇沢先生はアロー教授の下にいることに窮屈を感じていた(62頁)。2015/01/15

Tomoyuki Kumaoka

12
日経新聞に掲載された、宇沢弘文氏の「私の履歴書」と「論考」をまとめた本。 公害や自然破壊を憂い、問題解決に取り組んだ経済学者。 社会的共通資本は、当初教育や医療などのいわゆる公共のものを指していたようだが、後半では、ヴェブレンが唱えた制度主義を具現化するものである。制度主義とは、「一つの国が置かれている歴史的、社会的、文化的、自然的な諸条件を十分考慮して、すべての国民が人間的尊厳を持ち、市民的自由を守ることができる制度を作ること」を意味する。経済学者はこのような制度の実現を目指すことが求められている。2017/11/18

kiho

11
自伝の部分で宇沢さんの人間力を知り、経済をどうとらえるのかという難しい後半部分も興味深く読めた⭐2017/02/02

やまやま

9
日経の「私の履歴書」は単行書になるものが多いと思うが、経済学者の回想はいずれも興味深く、また、華麗である。宇沢先生の親御さんが経済的な苦境の最中に、府立一中に入学を実現させたことが比類無き経済学者を生み出せた要因とするならば、やはり少々の経済的豊かさがどうしても必要か。立身出世観を感じないのは、苦境であってもいつも理解者が側にいたからか。昭和天皇、ローマ法王、李登輝さんとの関わりで、先方のお言葉をよく消化されて糧としてきたことも伺えた。定年後医者になろうと考えたが医者のお嬢さんに諭されたことも逸話。2019/05/21

Yoshihiro Yamamoto

6
B+ 初読。前半は自伝、後半は1971年から1998年にかけて日経新聞に掲載された「経済教室」の記事で構成されている。全体を貫くのは、社会制度、自然環境、社会基盤からなる「社会的共通資本」と「経済学の中に人間の心(公正・正義・平等)を持ち込む」という考えだ。ポストケインズの「マネタリズム」「合理的期待形成仮説」「供給サイドの経済学」をこき下ろす論拠はわかりやすい。一方で社会主義に対しては超批判的な点が新鮮な驚きだった。戦後の経済学の潮流がよく分かるとともに、人間にとって何が大切かを考えさせてくれる良書だ。2015/01/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9014168
  • ご注意事項

最近チェックした商品