内容説明
草深い辺境から「都の堕落した貴族」を倒すために現れたのか、それとも武芸を生業とした貴族社会の一員だったのか――。近年活況を呈する武士論の二つの見方を統合し、「武士誕生」の道筋を描く。古代の蝦夷との戦争が坂東の地に蒔いた「武の遺伝子」は、平将門、藤原秀郷らによって育まれ、武家の棟梁たる源義家、頼朝らによって大きく開花した。
目次
はしがき
序章 ある武士団のものがたり──烟田一族の盛衰
I 怨 乱──蝦夷問題の遺産
II 反 乱──坂東の夢
III 内 乱──棟梁の時代
終章 武士の発見
参考文献
あとがき
学術文庫版あとがき