角川ソフィア文庫<br> 無心ということ

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角川ソフィア文庫
無心ということ

  • 著者名:鈴木大拙【著者】
  • 価格 ¥668(本体¥608)
  • KADOKAWA(2017/01発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784044076016

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内容説明

無心こそ東洋精神文化の軸と捉える鈴木大拙が、仏教生活の体験を通して禅・浄土教・日本や中国の思想へと考察の輪を広げる。禅浄一致の思想を巧みに展開、宗教的考えの本質をあざやかに解き明かしていく。解説・末木文美士

第一講 無心とは何か
第二講 無心の探求
第三講 無心の活動
第四講 無心の完成
第五講 無心の生活
第六講 無心の体験
結 語 

解説(旧版) 古田紹欽
解説 末木文美士

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イプシロン

27
(再読)3年前の自分の感想が恥ずかしくなるくらい、今回はきちんと解釈できたと思える。瞑想の実践と思索の積み重ねの結果なのだろう。畢竟、突き詰めれば「無心」は「倫理」という行為を生みだす源泉なのだろう。空腹を感じた男が持参した弁当を食べようとする。このとき男は無心の状態だとする。腹が減ったから、なんか食うかといった本能が働いたとする。しかし、ふと気づくと傍らに明らかに飢餓状態の子どもがいるのに気づく。男はほぼ無意識に子どもに言う。「一緒に食べよっか」と。そして男は子どもと一緒に弁当を食う。男がはじめに2021/12/30

ykshzk(虎猫図案房)

24
何かに囚われたり判断をくだしたりしない、全てをそのまま受けるということ。例えば、私は未だその言葉の本当のところを掴めていないのだけど「『空(くう)』に囚われると、空は空でなくなってしまう」と書かれているのがまさにその通りで、無心であろうと思った時点で無心では無くなってしまう。木石のように受動的に、禅的に生きるのは至難の業だ。禅の根本には、生きている・死んでいるという区別の無い世界があるのであって、往生や極楽は死んでからの物語ではなく、生きているうちに。私たちは生まれたり死んだりする。ただそれだけのこと。2024/12/01

テツ

22
鈴木大拙による講演の筆記を文字に起こしたもの。禅的なモノを文字を読むだけで理解出来る筈がない。正しく『不立文字』の四文字が示すように、体験しなければ到達することはない。それでも敢えてこうしてとてつもなく難解な言語として形にされ残されたことにはどんな意味があるのか。禅坊主などではない自分がこれを読むことにどんな意味があるのかなどと考えながら読了。無心、無心。意識と無意識の狭間で無様に無駄に思考を重ねつつ生きる日々を重ねながら、空に至れるのはいつの日か。2019/08/02

イプシロン

21
第一講から様々な語彙表現を用いて「無心」とは何かを語っているが、重要なのは無心を体験し、それを言葉にして語ることだと大拙は結論している。ではどう体験すればいいかといえば、意識をもって無意識を見ることで意識とも無意識とも言えない意識と無意識が一体になった心を見いだすのだと。いわば空の有無を意識と無意識に置き換えればいいのだと。具体的には行為しているときはそれに集中するということになろう。簡単なようで難しい。「ながら」という癖をまずやめなければいけないからだ。所詮、無心とは無我夢中になり没頭することであろう。2018/04/15

to boy

17
無心の境涯は仏教独自のもので、かねて東洋的心理の特徴とするものと著者はいう。自然のままの無心とは異なる人間的無心などについて語っていますが、なかなか難解で理解できませんでした。講演の筆記をもとに書かれたものだそうですが、こんな講演、一度聞いただけではさっぱりなんだろうなって思いました。2016/12/30

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