帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略

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帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略

  • ISBN:9784822251499

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内容説明

「軍務に就いたことは一度もないのだが、マーシャルはまさに『冷戦の戦士』だった。戦略家として、国防に携わる政府高官の助言者としてのキャリアは、米ソが対立した冷戦時代から中国の台頭、イスラム過激派の出現にいたる長期に及ぶ。 2015年に公職を退いたときには、冷戦を経験した世代の最後の1人だった。」(日本語版への序文) アンドリュー・マーシャルは「ペンタゴン(米国防総省)のヨーダ」と呼ばれた稀代の戦略家。ペンタゴンの総合評価室 (ONA)を率いて、40年以上にわたって対ソ戦略から今日の対アジア、対中戦略をデザインしてきた。マーシャルの軌跡を通して米国の世界戦略の変遷を描いた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

34
米国の軍事戦略家アンドリュー・マーシャルの評伝。1921年生まれ。ランド研究所で核戦略の評価分析に携わった後、1973年のニクソン政権時以来、政権が移り変わろうと国防総省の一部局の長として2015年、94歳!で退任するまで米国の軍事戦略に深く関わった。早くからソ連の軍事支出がその経済力に比して過大であること(CIAの分析は違っていたが)を見抜き、相手にミサイル防衛網構築など更なる軍事支出を強い、ソ連経済の破綻そして連邦崩壊へと導いた。その経歴と洞察力から映画スターウォーズの”ヨーダ”とも。冷徹さ恐ろしい。2018/09/02

金吾

22
一人の人物を通しアメリカの第2次世界大戦以降の軍事戦略のイメージを掴むことが出来ました。マーシャルの伝記ではないように感じましたが、体系的に物事を考えるという点で参考になります。2022/01/05

masabi

21
【要旨】アメリカの軍事戦略を支えたアンドリュー・マーシャルの評伝と彼がいかに多くの影響を与えたかを綴る。【感想】答えよりもまずは良問を問うこと、判断基準を特定すること、この2つをマーシャルは重視した。それがいかに現実を予見していたかは彼が90を越えてもなお現役だったことが物語る。正しい予見も組織の行動変革を伴わなければ意味をなさない。次はなぜ組織が抵抗したのかを深く知りたい。それにしても、多くの学者や専門家を動員するなどアメリカの知的層の厚さに驚く。2016/09/30

てん

14
なかなか読むのに苦労した。翻訳文なんで、文章の構造が分かりづらかったり、人名・固有名詞が多かったり、すぐ組織や物事をアルァベット3文字に短縮しちゃったり。国家間の軍事力の比較。どっちが強いか。それを考える。統計、経済、社会学、そしてイノベーションを実現した企業の力まで借りて考える。何はともあれ論理的な思考の参考になった。この本にはあまり出てこないが、冷戦期の敵国情報を入手するのにどれほどの労力、金、人命がかかったのか。こんな緻密な分析をする国と”気合”だけで戦ってた日本の負けは必然だったんだろう。2019/11/18

BLACK無糖好き

10
米国国防総省のネットアセスメント(総合戦略評価)室長として舞台裏から長年に渡り米国の軍事戦略に影響を及ぼしてきたアンドリュー・マーシャルの知の軌跡。冷戦時にはソ連の軍事計画の経済全般への負担をCIAよりも正確に推計。2002年には中国が長期的にもたらす可能性のある軍事的脅威への対応を提案。機密事項が多い中でも米国の軍事戦略の変遷の内側が垣間見られる。安全保障、国防問題の専門家として70年以上の公職在任期間の長さにも圧倒される。まさに米国軍事戦略の影の参謀。 2016/06/08

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