岩波科学ライブラリー<br> ジュゴンの上手なつかまえ方 - 海の歌姫を追いかけて

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岩波科学ライブラリー
ジュゴンの上手なつかまえ方 - 海の歌姫を追いかけて

  • 著者名:市川光太郎
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 岩波書店(2017/01発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000296298

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内容説明

南の海で「ピヨピヨピーヨ」と聞こえたら,それはジュゴンの鳴き声かもしれない.巨体からは想像できない美しい「歌声」に魅せられた若き研究者は,野生のジュゴンを追いかけて世界の海へ.仲間たちと一緒に,録音する,分析する,観察する,飛び乗って……つかまえる? 科学と冒険が,誰も知らなかったジュゴンの姿を明らかにする!

目次

目  次

 1 人魚のハナウタ!?
   歌うジュゴンに魅せられて/ジュゴンはどこにいる?/大好物は海のサラダ「海草」/ジュゴンの天敵/ジュゴンと人間のつきあい──アダムとイブとジュゴン/最北の分布地・沖縄──夫と妻は別居中!?/嘉陽のお父さんジュゴン/古宇利島のお母さんジュゴン/世界のジュゴン生息状況/私のジュゴン研究
 2 鳴き声を聴きに行く!──タイ編
   海の中は音の世界/音を使って動物を調べる/たった一人の「鳴き声」研究が始まった/人魚は「ピヨピヨピーヨ」と鳴いていた/水中音録音機の名作ausomsの誕生/夜明けのコーラス/ 「鳴き声」は挨拶だった!/幼いジュゴンの鳴き声/挨拶を無視するジュゴンもいる/ムラムラするときに鳴いていた!/一世一代のギャンブル! エサを食べる音を録れ!/さらばタリボン島、ありがとうタリボン島
 3 ジュゴンに飛び乗る!──オーストラリア編
   バイオロギングがしたい/オーストラリアへ武者修行/天国か? 右も左もジュゴンだらけ/ジュゴンに飛び乗る「ロデオ法」/ジュゴンの健康診断/ウンチが口に入ることもある/若きイケメンとのチーム研究/留学を終えて
 4 修行を終えて、アフリカへ!──スーダン編
   スーダンでジュゴンの調査をすること/砂漠の中のドンゴナーブ村/掘っ立て小屋での共同生活/本当にジュゴンはいるのか/ゴムボートをつかまえよ!/捕獲成功!/機材回収にまつわる漁師の経験と研究者の知識/ジュゴンの混獲、そして「味」/人間とジュゴン、それぞれの暮らし/スーダンで得たもの、与えたもの
 5 ジュゴンの上手な守り方
   ウンチを調べてジュゴンの健康診断/船の音の影響/ジュゴンはなぜ鳴くのか/ジュゴン保護に関する大きなジレンマ/ジュゴンの上手な守り方
   あとがき
   参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ニケ

18
読了日不明。年末だったと思うので多分この辺り。著者の師匠に当たる方の講義を聞いたので、紹介されたこの本を読んでみたのでした。関西弁で面白い!リズムが合うので読みやすい!天ぷらノイズに大爆笑してしまいました。水中ではエビのパチンをそんな大きな音として機器が拾ってしまうのね。ジュゴンのつかまえ方の動画を講義の後で見せてもらったので、書いてあることがわかりやすかった。つい先日、観察対象の沖縄のジュゴンの一頭が死亡したニュースに朝から切なくなりました。著者の方も調査に行かれてるのでしょうか…。2018/12/28

calaf

15
ジュゴン確保にはロデオ法(飛び乗る!)が一番らしい (笑) ジュゴンって見た事ないのですが、大きいのですよね・・・うーむ...2014/10/16

さすらいのアリクイ

14
ジュゴンの生態、鳴き声を研究されている方によるジュゴン研究についての説明、オーストラリア、アフリカでの研究活動の報告などが書かれた本。読むとジュゴンが何を食べるのか、何故鳴くのか、鳴き声の採集方法やジュゴンの捕獲の仕方など、色々知ることができます。著者の文章がユニークで、そのおかげで結構気楽に研究内容を読めたのですが、途中でジュゴンとジュゴンが住む海域の漁師との共存についてだとか、鳴き声を採った機材を海から回収できないと採集に費やした時間が水の泡になるなどシビアなお話も。読みごたえのあるジュゴン研究の本。2017/08/15

tom

14
この類の本は、けっこう好きです。でも、私にとって必ず面白いのは、東海大学出版会の「フィールドの生物学」のシリーズ。こちらは、すごい。どの本を読んでも、フィールドワーカーの熱さと執着が伝わってくる。岩波のこのシリーズは、ちょっと上品すぎて、泥臭くない。ジュゴンと人間の共生みたいなことを書いているけれど、妙に冷静で面白くもない。日本で唯一のジュゴン学者が書く本なのだから、もっと面白くなるはずなのに、たぶん編集者がダメなのだと勝手な推量をしながら読了。2017/05/16

たくのみ

13
アダムとイブの時代から「見慣れた、おいしい、栄養満点」というジュゴンは人類の拡散にも貢献していた。学者らしからぬ視点から始まり、市川先生の家庭事情までわかってしまうエッセイ風な研究書なのだ。とくに体の一部をサンプルとして擦り取る「スクレイピング調査」が楽しそう。ジュゴン保護のため「漁業をやめてしまえ」という論議には、異議を唱える著者。人間と共存できる世界を作るためにも、一日も早く、「ピヨピヨピーヨ(鳴き声)」が解明されることを願う。2014/09/27

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