創元推理文庫<br> ブラウン神父の童心

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創元推理文庫
ブラウン神父の童心

  • ISBN:9784488110130

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内容説明

奇想天外なトリック、痛烈な諷刺とユーモア、独特の逆説と警句で、ミステリ史上に燦然と輝くシリーズの第一集。小柄で不器用、団子のように丸く間の抜けた顔。とても頭が切れるとは思われない風貌のブラウン神父が事件の真相を口にするとき、世界の風景は一変する。レストランの塩と砂糖を入れ替えるなど、奇妙な痕跡を残していく二人連れの神父を追う名刑事ヴァランタン。その背景には何が? ブラウン神父初登場の「青い十字架」のほか、大胆なトリックが炸裂する「見えない男」、あまりに有名な警句で知られる「折れた剣」など12編を収める。【収録作】「青い十字架」「秘密の庭」「奇妙な足音」「飛ぶ星」「見えない男」「イズレイル・ガウの誉れ」「狂った形」「サラディン公の罪」「神の鉄槌」「アポロの眼」「折れた剣」「三つの兇器」/解説=戸川安宣

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

290
新訳なのに昔読んだ時よりも読みづらくなっていた気がする。改行が少なく、比喩表現もわかりづらく、短編集とは思えないほど読み進めるのに苦労した。内容面も、あらためて読み返すと話に起伏がなく、事件といえないようなものも含まれており、ホームズの作品群には一段劣っている印象。『青い十字架』から『秘密の庭』への流れは良い掴みなのに、そこから先にテンションが持続しておらず、『見えない男』や『折れた剣』も、知名度の割には…というのが率直な感想。前半あれだけフランボウで引っ張っておいて一瞬で善人になったのもどうかと思う。2023/12/25

麦ちゃんの下僕

156
ホームズやポアロと並ぶイギリスの名探偵で、泡坂妻夫さんの「亜愛一郎」シリーズのルーツでもある「ブラウン神父」シリーズ…この本はその第1作で、『東西ミステリーベスト100』海外編第8位という古典の名作です!収録されている短編12編はそれぞれ独立していますが、最初は“稀代の大泥棒”だったフランボウが改心して私立探偵となりブラウンの相棒となる過程は、連作の趣もありますね。1文1文が長い上に表現が凝っているのでやや苦戦するものの(笑)、提示される魅力的な謎と単純明快ながら意表を突かれる真相の面白さはさすがです!↓2020/10/25

bookkeeper

75
★★★☆☆ 再読。行く先々で騒動を起こす神父の二人組、奇怪なステップで廊下を往復する男の謎、信じられない程の力で頭を粉砕する殺人、百戦錬磨の将軍のただ一つの無様な負け戦…。小柄で目立たず無害に見えるが、実は無類の知性と観察眼の持ち主ブラウン神父が主役の短編集。トリックを短編に惜しみなく注ぎ込んで、贅沢すぎるラインナップ。なかでも好みは「神の鉄槌」「アポロの眼」そしてやっぱり「折れた剣」は外せない。 「人間なればこそ、この心のうちにあらゆる悪魔を持っているのです」「賢い人間なら樹の葉はどこに隠すかな?」2023/08/15

koji

53
森本あんり著「異端の時代」にチェスタトンの「正統とは何か」が紹介されており、「そう言えば『ブラウン神父シリーズ』は読んだことがない」ことに気付き読みました。ブラウン神父物は、言わずとしれたミステリーの名作古典です。風体の冴えないブラウン神父ですが、その推理はキレッキレ。人間の心理のアヤを巧みに読み解きます。以下3作を書評。①青い十字架:足跡物。奇妙な行動の描写が秀逸。②見えない男:盲点、錯覚物。やられました。③折れた剣:警句物。「賢い人は、~をどこに隠す」。文章が込み入って分かりにくいので2度読みがお薦め2021/11/05

優希

52
面白かったです。推理小説の古典と言うべき短編集でした。痛烈な風刺とユーモアが冴え、ピタリと真相を見抜いていくのが気持ち良かったです。2022/09/24

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