内容説明
「家、欲しいな」思わず呟いた自分の言葉に驚く30代半ば、独身、アパート暮らしの長田真里。結婚相手を見つけるのでもなく仕事に成功するのでもなく、ひとりで心地よく暮らせる家を建てるのって、ありですか? 従妹の友紀子や両親を始め世間の壁を越えることで見えてくる風景。「彼の宅急便」を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えりこんぐ
49
中島たい子さん初読み。30代半ば独身の主人公が、突然自分の家を建てようと思い立つ。サラサラ流れる読みやすい文体に、ふふふと笑える感じが心地いい。モデルハウスに行った時の、主人公の居心地の悪さが面白かった。1人だけのための一軒家だなんて、究極の贅沢だわ〜。中島さんの他の作品も読んでみたくなった。2016/05/22
coco夏ko10角
32
独身女性がマンションを購入するのはそんなに珍しくなくなってきたけど、土地を手に入れてそこに家を建てる、というのは自分みたいな人間からするとそのエネルギーに凄いと思ってしまう。どんな家にするか語ったり周りのワイワイしてる様子だったり、楽しく読んだ。福島さんの事務所が舞台の小説を読んでみたいな。2015/03/02
roomy
31
家を建てるって大変だけど楽しそう。独身でもキャリアウーマンでもないけど今まで住んだ持ち家は2軒、でも中古だったから一生に一度くらいはゼロから考えて自分の家を建ててみたいな〜。お話のようにトントンとうまく行くことばかりじゃないけど自分の夢の家の話をする主人公と福島さんのやりとりが良かった。2013/10/31
Takeshi Kambara
23
30代半ばの独身女性がある出来事をきっかけに家を建てる決意をするのだが待ち構えていた様々な壁だったり親戚の介入、そして…。大きな事件もなく静かに淡々と流れるように進む大人の小説。だけど不思議と退屈な感じは無かった。実在する有名な建築物等も登場するのだがそれらの写真を見ながら読んだら更に楽しく読めた。家…欲しいなぁ。後半に短編『彼の宅急便』が収められているが勿論キキは出てきません(笑)こちらは大人の恋愛(焼跡だが)小説、短いのに魅力的なお話でした。2016/11/29
野のこ
18
次の更新までは絶対に出よう!いや、部屋より男を探さなきゃ。とお見合い相手は、ちょっと高い声をあげて「あ、キャスキッドソン」と言った。に笑い。で、結婚は諦めてジャニーズな人たちのいる設計事務所と一緒に家を立てることに。関係ないけど「ガラスの家」検索して感動。どんどんと具体化してゆく案に、わぁなんかすごい家が立ちそうだわとハラハラ、螺旋階段とか。真里の感性がユニークでふふっとにやけました。ガッツのある意気込みにエール。2017/01/15
-
- 電子書籍
- ほどけて むすばる 19 Precio…