内容説明
自由無碍の境地を語る「鵬鯤(ほうこん)」の物語、一切肯定を謳う「荘周夢に胡蝶となる」――。老子とともに道教の始祖とされる、中国が生んだ鬼才・荘子が遺し、後世に多大な影響を与えた、無為自然を基とし人為を拒絶する思想とはなにか。荘子自身の手によるとされる「内篇」を、老荘思想研究の泰斗が実存主義的に解釈、荘子の思想の精髄に迫った古典的名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
里愛乍
31
「朝三暮四」「胡蝶の夢」「我性の斧」この辺りを紐解きたくて一読。原文、読み下し、解説と続く構成は分かりやすく、また福永氏の文は非常に読みやすい。彼の理解する『荘子』は自分には合っていたように思う。自分はこういった哲学には完璧な正解などは無いと考えていて、だけど些か荘子は自分には壮大すぎて、当然といえば当然だけど、一冊読み終えておしまいの本ではありません。まずは本書を読み砕くところから始めたいと思います。2018/11/29
meiji
3
初めて触れましたが、クソ真面目なお説教くささは全然なくて、達観というか、諦めなのか、高みなのか、さっと読んだだけではまだわからない世界がありました。2023/09/26
qwerty1234
3
岩波書店の荘子と併読。解説はこちらの方が詳しいが、解説自体が哲学的というか論理学的というか難解という印象。スッと読めるところは読めるが、詰まるところは苦労する。荘子を深く読むというのはこういうことかも知れません。もう少し、優しい本を読んでから再読したいと思います。2012/07/05
松平俊介(東龍)
1
泣く子も黙る天下の名訳(大げさかな)として古くから知られていた訳書だったが、旧版元・朝日新聞社が長いこと絶版にしていたので入手困難だった。こうしてようやく復刊されて嬉しい。なお、最近の研究は当たり前だが盛り込まれていない。元版は昭和53年の本である。2014/08/30