講談社現代新書<br> 古代オリエントの宗教

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講談社現代新書
古代オリエントの宗教

  • 著者名:青木健【著】
  • 価格 ¥891(本体¥810)
  • 講談社(2017/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062881593

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内容説明

パレスティナ発の「聖書ストーリー」は、メソポタミア平原を越え、イラン高原へ。東方へ膨張をつづける聖書ストーリーに対し、諸民族はいかに向き合ったか。最大の土着宗教ゾロアスター教、「真のキリスト教」を自称したマニ教、イスラームのグノーシス=イスマーイール派――。13世紀に「異教の魔神たち」が封じ込められるまで、宗教的想像力がもっとも奔騰した1000年を描きだす、東方の精神史。

目次

序章  「聖書ストーリー」と「各民族の神話ストーリー」
第一章 マンダ教の洗礼主義──一~二世紀のメソポタミア
第二章 マーニー教のイエス中心主義──三世紀のメソポタミア
第三章 ペルシアの国教ゾロアスター教ズルヴァーン主義──三~八世紀のイラン
第四章 ミトラ信仰とアルメニア正統使徒教会──四~五世紀のアルメニア
第五章 イスラームにおけるグノーシス主義の復活──八~一〇世紀のメソポタミア
第六章 「聖書ストーリー」に吸収されたザラスシュトラ──九~一三世紀のイラン
終章  「今日、われ(アッラー)は宗教を完成させた」
参考文献表
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takam

23
旧約聖書と新約聖書は多くの宗教に影響を与えていることを初めて知ることになった。特にイランは多くの宗教的な影響を多感に受ける地域であり、そこから多様な聖書解釈が生まれたことが面白い。2020/04/20

MUNEKAZ

16
地中海西方で生まれた『旧約聖書』『新約聖書』を基にする一神教の「聖書ストーリー」が、東方の宗教思想を飲み込んでいく過程を描いた一冊。ともすれば難解極まりない内容を、軽快な筆致と図表を多用することで、見通し良く描いている。キリスト教をグノーシス主義的に独自解釈したマンダ教やマニ教を見ると、アニメや漫画にありがちなオリジナルに対する二次創作の乱発を想起させて面白い。著者はこうした「聖書ストーリー」の完結を13世紀としているが、考えてみれば日本でも同時期に鎌倉仏教が揃い、その後の大枠が決まったのかなと。2020/09/22

スズコ(梵我一如、一なる生命)

15
古代オリエントの宗教が、聖書ストーリー(旧約聖書、新約聖書、イスラム)をどのように捉え、どのような結末を辿ったかが書かれている。古代オリエントの宗教に関する熱量がさまざまな多様性を生んでいたので実は凄い面白いことになるのではないかと期待してみたのですが、結局現実の通り聖書ストーリーに覆われてしまって、古代オリエントの多様性は無くなってしまった。だから、聖書ストーリーにこれ以上のエンディングはもう生まれない、完成という形の死を迎え、完成した姿がそのまま墓標になった、という結論はとても興味深かった。2019/03/19

ソルト佐藤

13
オリエントに興味があったので、ちょっと読んでみる。想像していたのと違って、聖書系の影響度の強さの話だった。基本、難解な話が多いのだけれど、めちゃくちゃ強引に神話体系をまとめようとする昔の宗教家の熱意がすごいというか笑えるというか(笑 特に、マニ教は教祖?のマニの考え方が面白く。最初はキリストの後継者的な存在?のつもりだったのに、段々自意識が肥大していく様が面白い。グノーシスってオカルトの秘技みたいなイメージだけれど、この本的にはありふれたというか、なんというか、もともとある流れのよう。2021/10/07

よしひろ

12
オリエントを中心に見ていくと、イスラーム教・キリスト教をはじめ、様々な宗教の誕生が垣間見える。2016/03/12

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