内容説明
舟番所で舟の出入りを監視する男の前に、闇を裂いて出現した怪しの舟。舟は狂気の血筋におびえる若い女を乗せていた。先が見えたような人生に朽ちかけていた男は、女を救おうとその両親の消息を辿りお家騒動にからんだ事件の真相を探るうちに、娘ほどに若い女に強く心惹かれていく……。黒船来航直前、時代が変わる予感をはらむ水の流れに、人の心の謎を映し出す、新感覚の時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
40
ドロドロした感じを想像したのですが、そんなでもなかったですね。舟番所で監視の仕事を担っている兵五郎の前に現れた怪しい舟。狂気の血筋に怯える女性と出会うことから全てが始まったと言えるでしょう。父娘ほど年が離れている2人ですが、両親の消息とお家騒動に絡んだ事件の真相を探っているうちに惹かれあっていくのがしみじみきます。人の心の謎に水の流れが重なる独特の感じがありました。2014/09/08
ウメ
4
兵五郎47歳、17歳に恋をする。老いらくの恋。自制し続けてきたのに裸体を前にしたら性欲が勝つんだもの、兵五郎アウトー。お家騒動のミステリーも盲目っぷり全開でなかなか真実にたどり着けず。兵五郎、後ろー後ろーって感じ。2020/01/29
オレンジ。
1
47歳の閑職の旗本と素性も分からない美形の17歳の少女との真剣な恋。自分の娘と同じ年齢の女性との恋って有りえるのかな。しかし赤い糸で結ばれていたとしたら・・・お家騒動のややこしい話は右から左へ素通り状態だったが、さすがに諸田さんだ。彼女の文章は例えていえば背中が泡立つ感じがするが、いつも通り引き込まれてアッと言う間に読んでしまった。2014/11/19
ラブミーテンダー
1
主人公と歳が近いので人事とも思えず。もっとも、好いてくれる人はいないので、心配する必要もないが・・・ただ、最後のほうは友人が一言注意してれば防げたこと。まぁ、盛り上がるためには必要だったんだろうけど、そこが玉に瑕。2013/09/25
ぺしみち
0
面白い2013/10/06