中公新書<br> 集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ

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中公新書
集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ

  • 著者名:西垣通【著】
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 中央公論新社(2017/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121022035

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内容説明

インターネットの普及以来、アカデミズムの中核を成してきた専門知が凋落する中で、集合知が注目を集めている。このネット上に出現した多数のアマチュアによる知の集積は、いかなる可能性をもち、社会をどのように変えようとしているのか。基礎情報学を中軸に据え、哲学からサイバネティクス、脳科学まで脱領域的に横断しつつ、二一世紀の知のあり方を問い、情報社会の近未来をダイナミックに展望する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

樋口佳之

34
人間(生命体)の知と機械の知とを分かつ境界線について目を凝らさないかぎり、真の集合知の利用法も見えてこない/ここから議論が一気に難しくなります。トホホと読み進めて終章のまとめで多少救われたかな。/原理上はソーシャルメディアで何百万の人々と交信できるといっても、一〇〇〇人以上がまともに参加し発言するリアルタイムな討論など、とうてい現実的な話ではない。それはわれわれの生物的な認知能力をこえてしまう。だから、あるていどローカルな人間集団での意見交換や、それらの組み合わせにもとづく集合知がもとめられる2019/04/15

YO)))

18
記号論理的な推論を処理することの先に汎用的な知性が実現できると考えた第5世代コンピュータの失敗。 その一方で、コンピュータの発達と普及も与って、人間を入力から一定の出力が導出できる機械(開放システム)として捉える見方が広まっている。 しかしこのままでは情報化社会の行く末が危ぶまれるので、主観・クオリアを出発点とする、自律した閉鎖システムの階層的な集合として人間を捉えなおし、それに寄り添うITを考えましょう、というお話。 2022/01/22

Francis

18
2012年に出版された本。第3次人工知能ブームの直前に出版された本だが、むしろ今こそ読む価値のある本だと思う。西垣さんの議論をまとめるのは私には難しいのだが、コンピューターの研究開発に携わり、東洋哲学にも通じた西垣さんは今だに多くの人々が人工知能などのIT技術に過剰な期待を抱いている現実に対する反論になっている。所詮はIT技術も人間の限界を超えるものではない、という冷厳な事実を認めて、地に足のついた議論をした方がいいのではないかなあ。2019/03/18

inami

15
◉読書 ★3 3.11東日本大震災では「専門家の権威」にたいする一般の人々の信頼はゆらぎ、かわりに注目されたのが一般の人々の意見をあつめる「集合知」だった。その「集合知」だが、ただみんなの発言を機会的に集め、集計すればよいわけでもなく、ネット集合知が有効性を発揮するための条件は何なのか、”「みんなの意見は」案外正しい”のスロウィッキーは「集合知」が正しいための3条件を①多様性②独立性③分散性としたが、西垣さんは、これらは明快な条件とはいえない、本質的なのは①の多様性だと・・んん〜、後半なんだか難解だわ・・2018/05/19

Nobu A

15
インターネットの普及で「専門知」に代わり、「集合知」の出現と台頭。著者はネットを利用し、他人同士が知恵を出し合い構築する「衆知」と限定的な定義で解説。スコット・ペイジ著書の『「多様な意見」はなぜ正しいのか』の謎を定式を用い、解くのは興味深い。中盤からコンピューターの構造や未来の方向性といった専門的な話しになり、やや難解。「中抜き理論」がキーワードのような気がした。ネットの出現で生活の基本はそれ程変わっていない。情報が簡単に得られるようになったが、だからと言って知識を得たわけではない。2016/02/14

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