内容説明
貧乏神被害者の会が主催する“貧乏を断つ”ためのサロン。そこには働かないイケメンの彼氏をもつ、様々な事情を抱える女たちが集まって……金か愛か!?に迫る文藝賞受賞第一作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
118
なかなかシリアスというか、キツい話でしたね〜。「貧乏神」とウワサされるイケメンに貢いでしまい、自堕落な生活を送るアラサーの「エリカ」さんはキャバクラ勤め。幼馴染の「さえ」はお世話にもあか抜けてるとはいえないキャラですが、なんだかんだで二人は仲良し。そんな二人が'貧乏神'の正体をつかむべく、現実を見ようとしない「エリカ」をなんとか説得しながらも悪戦苦闘します。貧乏を断つためのサロンにも通い、なんとか悪い状況から脱しようとするも、結局イケメンの彼に寄り添ってしまう「エリカ」が、残念で本当に痛々しかったです。2021/04/16
いたろう
51
今時の貧乏神は超絶イケメン。ついつい女性が貢ぎたくなる。当然の結果として、貧乏→借金→貧乏→借金の負のスパイラル。貧乏神に入れあげてしまう女性たちの姿は滑稽だが、これはただの作り話ではなく、カリカチュアライズされた現実なのだと気づいたとき、笑いながらもその奥底にあるものにおののく。前作「おしかくさま」では宗教やお金を、今回は甲斐性のないヒモ男を戯画化し、笑わせつつも考えさせる。その手腕は鮮やか。2014/12/19
らむり
46
好きなイケメン以外は何も見えなくなっているダメ女。そのイケメンもバカ男だわ。誰にも共感できないけれど、物語は面白かった。2014/10/31
ひめ
32
イケメンの貧乏神かぁ。いまいちなぁ~。そういえば、死神に取りつかれたお話があったなぁ。浅田次郎の『憑神』。こちらは面白かったよ~。2014/12/16
キラ@道北民
29
働かないイケメン彼氏と現代で変貌をとげた貧乏神。被害者の会が催す「貧乏を断つ」ためのサロンに集まった女たちの生き様を描く。依存していく過程がよく分かり、気持ちは分からないでもない。自分の自信のなさをコントロールされ翻弄されるって、多かれ少なかれよくある事だと思う。貧乏神の設定はなるほどと思ったけど、キャラクターがイマイチだったかな?親友さえちゃんにもっと活躍して欲しかった。2021/04/14