内容説明
ふるさとに帰ってみると、おかんが「老いて」いた――。母の老い、本当の「ワタシ」、仕事の選択。心揺さぶられる大人のアイデンティティ問題を取り上げた「ほぼ日」連載の大反響コラム集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そら
69
親との関わり方や自分自身をコントロールすること、仕事などの社会との関わりなど様々な本やエッセイを手に取ってきたが、今までにはなかったタイプの切り口がとても響いた。老いることを受け止め、受け入れること。親はずっと親であって欲しいが、何度も同じ話をされたり、細かなことが出来なくなったり、それは"老いる"ということである。目からウロコで、日常的な小さなイライラがポンと消えてなくなった。今まで数十年と、私を支えてくれたのだから、この先のたった十数年は私が支えてあげないとなと、素直に思えた。ちょっと寂しくなった。2022/06/14
ぶんこ
62
著者初読みで、もっと軽い内容だと思い込んでいたので1章で衝撃が襲いました。3章からなるのですが、後の2章は既に通過している自分自身についてと仕事の事。1章は今直面している事。親の認知症を見続ける苦しみ、自らの老いの認識と恐怖。特に食事作りは年々重労働と感じてきているので、身につまされました。我が家は子供がいないので、母の介護の度に辛いのですが(母には娘の私がいる。でも私には介護をしてくれる娘はいない。)と思って、母はまだ幸せな方なのだと自分に言い聞かせています。読者からのメールが素晴らしかったです。2017/01/13
ヒデミン@もも
42
山田ズーニーさんの書く文章が好き。おかんの昼ごはん。母の最期の手料理はお祭りの太巻き寿司だった。もう一度食べたいな。親の老いを認めるのは切ない。でももう二度と子どもの立場に戻れないのはもっと切ない。後半のありのままの自分を誰に一番認められたいかの問いに、自分以外の答えがない❢ 2017/03/24
なるみ(旧Narumi)
30
読友さんのレビューをきっかけに、久しぶりの山田ズーニーさん。最終章の『教育、福祉、医療 3つは似ているようで違う』を1番興味深く読みました。全編を通し、ズーニーさん読者からのメール、内容がぎっしりつまっていました。2016/03/02
Rie【顔姫 ξ(✿ ❛‿❛)ξ】
29
第1章の「おかんの昼ごはん」は、とても刺さる内容で、数々の読者からの手紙にも心動かされた。ところで、この本のサブタイトルは、「親の老いと、本当のワタシと、仕事の選択」というのだが、第2章が本当のワタシで、第3章が仕事の選択ということで、かなり異なった内容が盛り込まれているところが意外だった。著者のズーニーさんの物の見方はいつも興味深いのだが、第1章が感受性、2章、3章は論理に訴えるような内容で、対象とする読者の年齢層も異なるだろうな、と感じた。でも第1章は本当にとてもよかったです。2020/08/15