内容説明
連戦連敗の将として死んだ諸葛亮。無謀な北伐を繰り返しながら後に義の人として絶大な人気を博した「三国志」の英傑。その思想と行動を中国史研究の先駆者が幾多の文献を用いて描き出す。なぜ彼が後世、称賛されるに至ったのか。その評価はどのように変遷したのか。一九四〇年の初版以来、改訂を重ねて読み継がれてきた「三国志」研究の重要古典。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
18
61頁。諸葛氏は一族が全土にひろまって、世人の尊敬を博していた当時の有力貴族である。孔明個人の政治的才能はもとより尊重すべきながら、孔明が今後荊州や巴蜀において、また対呉交渉において、その天性の英才を振るいえたのも彼の門地が高く、充分これら地方の豪族を心服させるに足るものがあったからである。かかる名族出身にして、個人的才能も衆に優れ、かつ誠実・真摯な人格の三者を兼ね有する一人の心を得たことは劉備にとって最大の成功であった。孔明を得てのち、その献策通りに三分の計を成し、蜀漢の国を創業するを得た。2026/01/03
Ryuji
4
★★★★☆諸葛亮孔明は歴史上の人物で私が最も尊敬する人物です。高校生の頃に吉川英治の『三国志』を初めて読みその清廉潔白さに感動しました。この本は孔明の歴史解説本、当然『三国志』ような超人的な活躍は無いし、荊州を呉に奪還されたのは孔明の失敗と断ずるなど単純に孔明を賛美する本でもない。孔明を知る一冊としては良い本だと思う。蛇足ですが、日本では戦国武将の竹中半兵衛がよく孔明に例えられますが、私は徳川3代将軍家光・4代将軍家綱を補佐した保科正之に孔明と同じものを感じます。この人も清廉潔白な政治家です。2013/05/24
鮭
4
冷静な筆致で蜀漢の名宰相をおった一冊。本書を通読することで孔明の魅力は「智」「謀」ではなく、「政」「誠」にあると再実感させられる。孔明だけでなく、後漢末期~三国時代の通史としても読みやすい。2013/02/24
中島直人
3
諸葛孔明の事蹟を丹念に追う作品。でも読めば読むほど、地味で華やかさに欠ける諸葛孔明が、何故こんなに人気が有るのか分からない。単なる判官贔屓なのか。。。2012/04/24
韓信
2
孔明の評伝のクラシックスタンダード。名士論などの最近の研究成果に触れる前の入門として光風社版を読了。新鮮味はないが、後漢末以降の時代状況と孔明の動向を手堅く丁寧にまとめている。華美に流れぬ堅実な文章や、人物評が朝廷の人事に影響することを嫌った点など、貴族的傾向を増していく当時の大勢とは逆行する政治家として、愛情を持って孔明を捉えている点が興味深かった。また、五斗米道に漢中のチベット族の信仰・習俗からの影響を見ているが、具体的にどの儀礼等を指しているのかが個人的には気になるところ。何か研究があるのだろうか。2016/03/29
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