〈ふつう〉から遠くはなれて ――「生きにくさ」に悩むすべての人へ 中島義道語録

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〈ふつう〉から遠くはなれて ――「生きにくさ」に悩むすべての人へ 中島義道語録

  • 著者名:中島義道【著】
  • 価格 ¥1,287(本体¥1,170)
  • 青春出版社(2016/12発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 330pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784413230155

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内容説明

不器用に生きる人への「生き方」指南の書『カイン 自分の「弱さ」に悩むきみへ』、仕事としっくりいかず、生きがいを見いだせない人に向けた『働くことがイヤな人のための本』、日常的にふりかかる「嫌い」の現実と対処法を説いた『ひとを〈嫌う〉ということ』など、仕事、孤独、人間関係、対話、日本社会論…と、多岐にわたるテーマに思索をめぐらし、これまで65冊の本を書いてきた著者の主要著書20冊より人生に役立つ名文章をまとめた著者初の名文集。「死」に対する恐怖をはじめ、自身の独特の生きにくさを真摯に見つめ探究し尽くした著者の言葉は、すべての人にとって、「よく生きる」ための示唆に富んでいます。往年のファンにはもちろん、著者の本をはじめて手にとる人にも楽しめる、「ためになる毒」に満ちた珠玉の一冊です。「普通」という自縄自縛から自由になる「普通は」結婚する、「普通は」子どもを産む、「普通は」学校へ行く、「普通は」仕事をする、大人なら、会社員なら、日本人なら「普通は」こうする、こう考える……。 そんな「普通」という価値観の縛りが「生きにくさ」を生む。著者は「普通」を否定するわけでは決してない。(むしろ心から普通になりたかったがどうしてもなれなかったとあとがきにあるとおり。)「普通」から(完全に)離れることを薦めているわけでもない。著者は、「普通」の中で、普通になれないままに、つまり生きにくさの中で生き、苦悶、思索した自らの言葉(人生)を同じく生きにくさに悩む人たちに考えるヒント、「素材」として提供している。近代私小説の主人公の独白を思わせる(担当編集私感)その言葉の数々から、我々は多様性と可能性に思索を巡らし、「普通」の中で、できるだけ、自由に、自分らしく生きるヒントが得られることと思う。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

35
世の中を斜めに見て吐き気を感じていた思春期の頃。俺を産んだ奴も、産ませた奴も、産んだガキをほったらかしにして好き勝手に生きるようなことが許される世界もみんなくたばれと思っていた頃。そう思いながら何の力もなく努力もせずにブラブラとただ存在している自分への嫌悪感。そうした面倒臭いモヤモヤを抱えて生きている人間って結構世界にはたくさんいるということ。哲学というものがもしかしたらこのモヤモヤを晴らすための力になるのかなとぼんやり考えた頃のこと。中島義道の言葉は当時それを読みながら考えていた青臭い自分を蘇らせる。2019/01/09

袖崎いたる

9
痛ましいくらいに自らを傷つけ、他人からも傷を与えられ、そうしてジュクジュクした傷を矯めつ眇めつ観察し、ときに哲学道具で弄りまわし、やっぱり自分は人間嫌いで不幸な人間なのだと確認し直す。これは確かに〈ふつう〉とは呼べないだろう。彼の一般向け(?)の本に書かれた一節をちょいちょい抜き出して収録されているのだが、著者の姿勢が一貫していることがわかる。通して読んでも同じ傷跡を少しずつ角度を変えて語っているのだ。共感するべきでないような生きにくさの語りは読むに痛い。「なぜ生きるのか?」「それを知るために生きるのだ」2017/01/24

れん

8
アンソロジーだけど、私には言葉の熱量がすごくて…読後は息継ぎなしで泳いだ後のよう。運不運が人生を揺さぶり続ける。理不尽さを小細工無しに認めると、違う世界が見えそうです。2021/11/08

農明(ノウミョウ)

6
日々の生活で悩むことは、不幸、好き嫌い、この先どうなるかといった幕残とした不安と思います。本書は、そのような不安な気持ちの処方箋になりました。人を嫌うこと、嫌われることをこんなに肯定的に受け止めていいんだ、と、心が救われる思いでした。2020/11/29

犬養三千代

6
学生のころ中島義道さんに嵌りました。やはり、自分のことが嫌いだったのでしょう。 この本は今までの著作から美味しいとこ取りをしたもの。 懐かしさと、やっぱり良いなという気持ちです。2018/04/03

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