内容説明
戦後たった3年間だけ存在した幻のパ・リーグ球団「高橋ユニオンズ」。パ・リーグの創設の混乱のなかで急遽作られたチームは「ポンコツ」と「呑兵衛」の“寄せ集め(ユニオン)”と揶揄された。
本書は、その「最弱球団」で青春を送った関係者たちに丹念に取材を重ねたノンフィクション。日本プロ野球史を語るうえで欠かせない、プロ野球ファン必読の一冊!
単行本では雑誌『野球小僧』の連載を大幅に加筆修正。今回は文庫化にあたって新たに追加取材した「高橋ユニオンズは終わらない」を追加! プロ野球ファン必読の一冊、ここに復刊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
21
パリーグが8球団だった1954年から56年までの3シーズンにだけ存在していた球団・高橋(トンボ)ユニオンズの歴史。全盛期を過ぎたベテラン選手や他チームで実績の無い中堅若手、そして新人を主力とせざるを得ずに苦戦するのは楽天イーグルスの初期を思いだすが、一方でパリーグ上層部の都合によるチーム消滅時のやるせなさは近鉄バファローズの最期にもダブって見える。昭和30年代的なアバウトなエピソードも多いが、コーチがシーズン中に選挙活動して当選して辞めるとかは流石にこれはと思わざるを得ない。2022/07/08
イーダ
13
先日なくなった伯父のインタビュー記事があるとの事で購入。私財をなげうって球団を設立、当時のパ・リーグとしては、巨人や阪神のような救世主になって欲しかったのかもしれないが、他球団からの援助も無く、孤軍奮闘していく姿には悲壮感が漂う。それでも夢を追いかけていった男達の姿にはどこか羨ましいものを感じる。2016/04/15
みなみ
11
1954年から3年間だけ存在。創設4年目の開幕前に消滅した高橋ユニオンズ。パ・リーグの8球団構想で創設されたが、創設しただけで放置、ボロボロの成績でお客さんも入らず球団が消滅。パ・リーグのために私財を投じて球団を作ったのに振り回されただけだった高橋龍太郎が気の毒だ。最晩年のスタルヒンが所属していたり、プロ野球ニュースの佐々木信也が入団していたり、この本で知ったことがいくつもあった。スタルヒンも日本球界での扱いが悪くてかわいそう…あんな迫害されてたし、せめて野球界では敬愛され遇されればよかったのに。2020/10/17
Ikuto Nagura
9
高橋ユニオンズ誕生から解散までわずか三年の軌跡に、パリーグ草創期の困苦を思う。「弱いけどいいチーム」「青春そのもの」という選手やオーナー高橋龍太郎の思いが、ファンに伝わらなかったのは何とも残念。入場券販売数29枚って…。「(早くなくなってくれないかな、こんなチーム…)それが豊田の本心であり、この豊田に限らず、対戦相手から憐憫と同情のまなざしを向けられていたのが、高橋ユニオンズというチームだった」まあ、こんなこと言われる弱さじゃ仕方ない。それでもユニオンズが、私の愛するパリーグの礎のひとつなのは間違いない。2015/10/29
KBTM
8
巨人のような人気の核となるチームを作ることができなかったパリーグの苦難の歴史の第1ページのような作品でした。歴史に埋もれる前に、しっかりとした記録を残してくれた作者に感謝しかありません。2019/09/06
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