内容説明
読み終えた後、瞼の裏に何が映りますか?
読後、きっと家族を抱きしめたくなります。
涙がとめどなく溢れ出る、感動の物語!
読み始める前に、必ずハンカチのご用意を……!!
たびたび有名人と浮き名を流す著名な近代日本画家・来栖(くるす)現と、一途に彼を支え続ける妻・佳世。
家族の枠を超えた大きな愛で人々を包み込む佳世のもとには、いつもたくさんの人が訪れる。
佳世の存在は、現や娘の愛子、愛子の彼氏・哲生だけでなく、佳世が営む小料理屋の常連など、皆の心を優しく温めていた。
放蕩の限りを尽くしてきた現は、佳世が心臓の病気で亡くなった際も旅先から帰らず、葬儀も欠席する。
結局喪主を務めることになった娘の愛子は、それ以来父親を許すことができず、自らも連絡を絶ってしまう。
ところがある時、愛子の息子・春也が、佳世の死後小料理屋を切り盛りしていた倉田すみ江を通じて、会ったことがないはずの現と手紙のやり取りをしていることに気づく――。
『三軒茶屋星座館』シリーズで話題の著者が描いた、愛しくも切ない家族小説。
――あなたは家族を大切にできていますか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MOKIZAN
24
単行本で読んだ時、何となく惜しいものを感じてた。意固地なおやじとそれを取り巻く人々、おやじへの不満を意識することで、己の寂しさを隠しているようなさまをイメージさせたり、語り手たちの視線もいい感じなんではあります。だけど、「家族を知らなければ、寂しさを知れない」なんていいセリフを、金稼ぎしたくて公務員になった旦那に言わせたり、人物像と行動が幾度かギクシャクするんだようなあ。とくにこのセリフは、もう少し良いキャラクターにして、言わせて欲しかったですね。2017/01/16
チェス
4
家族だからこそ許せないことってあるんだろうな。終わりはなんかホロリと。図書館本2021/01/03
たくみ
4
浮き名ばかりを流す画家を夫として、家族として、それぞれの立場から描いた家族小説。いろいろ思うことはあったが、哲夫が来栖に言った「理解できなければ、説明して頂けないんですか?」という台詞は強く印象に残ったし、人間関係において大事な時もあると思った。なかなか良い作品でした。2017/09/09
Chee
2
初めての作家さん。すごく愛情深い人たちがたくさんでてきて、辛そうな場面もあったけど、全体的には温かくて優しかった。現さんが描いた絵を見てみたいな〜。2023/10/23
らすかる
2
初読み作家さんの作品でした。タイトルから想像したものは重たいイメージでしたが、実際読んだらしっとりしてそれでいて印象的な素敵なお話しでした。人の思いや、愛情の度合いなんて端からみたらわからないものなんですよね。この作家さんの別の作品も読みたくなりました。