山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 溪語り・山語り - 山人たちの生活誌

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 溪語り・山語り - 山人たちの生活誌

  • 著者名:戸門秀雄
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 山と溪谷社(2016/12発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635048217

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内容説明

1990年3月刊行の戸門秀雄著『溪語り・山語り~山人たちの生活誌』に未収録原稿3本追加、登場人物のその後の行方など加筆、ボリュームアップしつつの待望の文庫化。

山の朝は早い。釣り人の朝も。
あたりが白みはじめると、僕たちはもう溪へ降りている。(略)山人の朝は早い。
ぼくたちが無心に竿を振っていると、もう田や畑には彼らの姿が見える。
朝の挨拶の何とすがすがしいことか。はるか後方にはたなびく朝餉の煙。
僕は山の朝が好きだ。――あとがきより。

本書は渓魚に魅せられ、日本各地の溪を釣り歩いてきた著者が、当地で出会い交流を深めた山人たちの暮らしを綴ったものである。
奥志賀の職漁師、下部の(井伏鱒二の)釣り案内人、伊那谷の虫踏み漁師、東信濃で伝承毛鉤を巻くおばちゃん、山形の熊猟師、桧枝岐のサンショウウオ漁師、小国町のカジカ漁師などなど、山人たちのいきいきとした暮らしがここにある。

※1990年3月刊行の戸門秀雄著『溪語り・山語り~山人たちの生活誌』に未収録原稿3本追加、登場人物のその後の行方など加筆、文庫化したものです。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みや

9
渓流釣りを通じて出会った昭和の職漁師や山で生活する人たちから聴き取った話を集めた一冊。放流主体の現在の渓と比べ、昭和30年代頃までの無尽蔵ともいえる豊かな川の様子がとにかく羨ましい。渓相を愛で、渓魚に親しむ余裕は圧倒的な魚量あってこそなれど、あくせくと釣果だけを追い求めがちな自らを反省。いずれ劣らぬ名人たちの昔語りを堪能するほどに、年老いて愉しめなくなった時の心情を察し、切なくなる。2021/08/30

CTC

6
17年ヤマケイ文庫、初出は同社の釣り雑誌の86年頃の連載で、単行本は90年刊行。人里離れた山奥のお話ではなく、里山周辺の川や山で仕事をする方の話を広く拾っている。漁/猟師だけでなく、竿師や薬湯を供する方なども。出色は尾瀬の“背負子の佐久間”。狭い道故に尾瀬は荷馬禁止。昭和45年にヘリが飛ぶまで、背負子が物流を担った。その距離12㎞を、佐久間さんは164㎏を筆頭に2日で3往復計394㎏運んだというから尋常ではない。新田次郎の『強力伝』並だ。 著者は埼玉の入間で郷土料理屋をされている。行くしかない!2018/11/15

うぃっくす

4
ヤマケイ文庫…しぶいな。もともと書かれたのが30年くらい前だからかなり古いんだけど川とか溪とかで渋く生きてる人たちの話。釣りとか釣り人未知の世界すぎて何の魚の話してるのかもわかんなかったけど素朴でよかった。昭和の原風景。2018/09/16

志村真幸

2
 著者は埼玉を拠点に全国を釣り歩いたという人物。渓流魚・山菜・キノコ料理店を開いたり、ダイワ精工のアドバイザーを務めたりもしたとか。  本書は、1990年に出た単行本の文庫化。  各地の職漁師への聞き書きで、信州・志賀高原のイワナ釣り師、妙高のイワナ釣り師・山菜採り、奥只見・田子倉湖の刺網漁師といったひとたちにインタビューしている。魚のたくさんいた頃のひとが、生き生きとした口調で描写され、おもしろい。ほかにも伊那谷のザザムシ漁師、熊撃ち、ボッカ、竿師なども。2019/03/14

ちば

2
背負子夫婦の半生を記した「背負子の人生」…夫婦の写真からにじみ出る人生の重みにこみ上げてくるものがあります。2018/03/12

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