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内容説明
動物の殺生を禁じ、特に犬の愛護を強いて民衆を苦しめたとされる徳川五代将軍・綱吉。しかしそれは本当に将軍個人の思いつき=愚行にすぎなかったのか。「鉄砲改め」や捨子・捨牛馬の禁止などを含み「生類憐み令」と総称される政策が、当時の社会的要請に応えて発せられたことを論じ、「自然と人間の歴史」のなかで「元禄という時代」の意味を捉え直す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
孤独な読書人
7
江戸時代の人間と動物との関わりがわかる。犬が食べられていたということがけっこう衝撃的だった。2017/01/03
feodor
6
いわゆる「生類憐みの令」をめぐる綱吉の政治についての著作。江戸時代の銃普及率の話から始まり、農具(というか農地を守る道具)としての銃の効用から、現状追認せざるを得なかった状況と、動物保護という名目で幕府の鉄砲方に駆除を一括しようという意思に見られる「文治政治」の武力統制の意思がまず見せられる。鷹狩という権威的な仕組みに見える農民生活の統制と「狩猟」。そして「捨て子」と同列になる「捨て牛・馬」の禁止。単純な動物愛護という意味合いではない生類憐みの令の文脈が示されていたようにも感じる。2013/06/06
タナカ
1
生類憐れみの令を知りたくて呼んだが、スッキリとは理解できなかった。当時、犬喰いや犬の捨子喰いがあったことは驚き。2018/01/23
ハヤブサの竜
0
まとまりがない。すべてがハンパな。犬食を知りたくて読んでみたからかな2013/08/31
釈聴音
0
「生類」という概念が現在の「生物」や「生命」という概念とは全く異なる、という指摘は重要。「悪政」の綱吉、「良君」の吉宗、という常識は覆されることになる。2013/02/28