創元推理文庫<br> 領主館の花嫁たち

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創元推理文庫
領主館の花嫁たち

  • ISBN:9784488262044

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内容説明

1840年、当主の妻を若くして失ったその領主館は、悲しみに沈んでいた。そして、愛らしい双子の姉妹の家庭教師として館を訪れたテティことテターマンもまた、癒しがたい傷を負う身であった。屈託なく懐いてくる、瓜二つの双子の姉妹に、徐々に生きる希望を取り戻していくテティ。しかし、館に頻発する怪異が、テティと双子の姉妹の運命を容赦なく翻弄していく……。一族の恐ろしくも美しい秘密とは? 巨匠ブランドが持てる技巧のすべてをつぎ込んで紡ぎあげた、予測不能、美麗にして凄絶なるゴシック小説!/解説=戸川安宣

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mocha

60
時代を経た陰鬱な館。天使のような双子の少女。母は謎の病で亡くなり、若い女性教師が住み込むことに・・。いかにもゴシックホラーという設定だ。250年も続く呪いは強力だけど、幽霊達がちょっと軽いキャラで恨みつらみよりもゲームを楽しんでいる風なのが怖さ減点。むしろ女性たちの心理戦が醜くも恐ろしい。2022/08/07

ケロリーヌ@ベルばら同盟

51
英国女流ミステリ界の重鎮クリスチアナ・ブランド最後の長編。舞台は1840年代。英国丘陵地帯に建つアバダール屋敷の主人は、最愛の妻を亡くし、残された双子の娘達のために、家庭教師を呼び寄せる。250年に及ぶ呪いに覆われた館の死と哀しみの霧を、自らの辛い過去を克服し、教養と愛に満ちたこの若い女性が吹き払うのでは、と読者は期待したのだが…。館に取り憑く姉弟の怨霊は、生者の心の暗がりに巧みに忍び込み、妬み、虚栄、貪欲を増長させる。人の何と容易く転落することか。容赦ない醜い心理描写と台詞が刺さるゴシック・サスペンス。2019/04/23

みっぴー

45
クリスチアナ・ブランドのミステリーとはあまり相性が合わないのですが、こちらはど真ん中。面白かったです。ジェイン・オースティンが好きなら、読んで間違いなしのゴシックホラー。英国の貴族階級に属する一族にかけられた呪い。幽霊とか普通に出てくるのですが、全然怖くない。じゃあ何が面白いのかって聞かれると、"領主館の日常"それ自体が面白い。新しい家庭教師と嫌みな領主館の女主のネチネチした口喧嘩、双子ちゃんの物の取り合い、些細な出来事がいちいち楽しいです。でも、作者が小説を書こうと決意した理由が一番面白かったです。2017/06/28

geshi

35
ブランドの館ミステリを期待しただけに、ゴシックホラーっぽい作品で「あれ?」と思っちゃう。幽霊が人間よりも実在感あるように描かれているから、やりたかったのはホラーではなく愛の深さとそれに反比例する憎悪の苦痛なのだろう。呪いはあってもあくまで契機でしかなく、人の心は歪んで誰かを虐げずにはいられない。一途な愛、互いの傷を癒す柔らかな時間、美しき自己犠牲、そんな綺麗だったはずのものが醜く腐っていく様をこれでもかと見せつける嫌らしいまでの筆。2017/04/08

ako

14
本格ミステリだと思って買ったのに…それでも何かトリックがあるのでは?も思いながら読了。幽霊話でしかなかった… 双子のどちらかをひいきにして育てるとこんなにも我儘な子と自己犠牲の子に育つものかな。リンが姉のものを欲しがってるだけでいずれは心変わりするだろう事は予想がついてたはず。自分でこうする事を選んだのに家庭教師のせいにしたり、家庭教師も腹いせにヒルに嘘をついて彼の人生をめちゃくちゃにしたり。何だか誰も彼も自分勝手でまともな人がいなかった。2017/04/25

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