内容説明
森の洞穴に現れた人間の赤ちゃんは、母オオカミ・ラクシャに預けられて、オオカミの群れの中で育てられた。その少年モウグリを主人公に、ヒグマのバルーと黒ヒョウのバギーラ、モウグリをさらったサル族、岩ニシキヘビで知恵者のカー、人間を恨みモウグリの命を奪おうとするトラのシア・カーンなど、「ジャングルの掟」とともに厳しく生きる者たちを描く永遠の名作、新訳で復活!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
66
映画化に伴って新訳が出たので、児童書で読んで以来の再読。狼に育てられた少年モーグリの、ジャングルの一員としての暮らし。冒険の日々。動物間の、群れの中での確執。キプリングが描きだした野趣あふれた世界は、スリリングでありながら、社会的な要素も強い。動物たちが互いに意思疎通できる共通の言葉を持ち、掟を守りながら暮らしているこのジャングルは、一種の理想郷といってもいいのではないだろうか。「ルールを守れば、誰でも平等に平和な生活を送ることができる」というジャングルの掟は、人間社会に対する批判であるようにも思える。 2016/08/20
Rin
57
映画とあわせて手に取りました。名作というだけあって、楽しいだけじゃない自然の厳しさ、人間の傲慢さや卑怯な部分なども描かれている。そしてジャングルのなかで、オオカミのもとで育ったモウグリ。モウグリにジャングルの掟などを教えるヒグマのバルーに、黒豹のバギーラ。深い知識を持っているニシキヘビのカー。そして象や虎、猿と様々な動物たちを交えて、人と動物の違いを見せられる。人間でありながらジャングルのものでもあるモウグリの葛藤。誓や掟の大切さ、そして動物たちの絆や深い愛情に、抜粋ではなく全編を読んでみたくなります。2016/09/11
イプシロン
44
自然を破壊しつくし、もはや地球がもたないところまで来てしまった今こそ読むべき一冊。動物をキャラクター化したディズニー作品をはじめとするファンタジーや冒険物語は多々あるが、本作は善悪とか損得とかいった人間の偏見に満ちた自然観ではなく、動物たちとジャングル側の、つまり人間も自然の一部であるという視点に立っているのが素晴らしい。だけでなく、現在人類社会が抱えている問題をほとんど抉り出している深い哲学性がある。1894年にこれだけ真理に近づけたのはキプリングが直観する詩人であるからなのだろう。2019/07/13
つねじろう
42
ヒグマのバルー、黒ヒョウのバギーラ、ニシキヘビのカー、それにシア・カーン。名前だけでワクワクして来たでしょ?その昔岩波少年文庫で最初に出逢った時は本当にモウグリが羨ましくて仕方がなかった。学校に行かなくて良いし、かっこいい狼は兄弟だし。それにジャングルの掟。今振り返ってみるとこの教えは今も脈々と自分の中で生きている事が分かる。「食べる以外にはむやみに殺してならない」とか「礼儀正しい言葉使いが出来ればジャングルは何処でも渡って行ける」とか。そう考えると今の人間界の方がかなり無秩序にも思える懐かしの一冊です。2016/08/03
なゆ
19
赤ん坊の時にトラのシラカーンに襲われ、ジャングルで孤児になってしまったモウグルが、母代わりの狼や狼兄弟たちとジャングルで育ってゆく、8編を取り上げたもの。群れの狼や黒ヒョウのバギーラ、クマのバルー、ヘビのカーなど、ジャングルの生き物たちとの交流、シラカーンや赤犬たちとの闘いなど、大人が読んでも楽しめる話でした。読む前は抜粋版で充分だろうと思ってましたが、全編読んでみたくなりました。2016/08/26
-
- 電子書籍
- コエとペン DLManiax
-
- 電子書籍
- モブなのに過保護な公爵に溺愛されていま…
-
- 電子書籍
- 130限目 天国と地獄 コルク
-
- 電子書籍
- ジュリスト2019年6月号 ジュリスト
-
- 電子書籍
- 目からウロコ!こんな男に女は弱い : …