内容説明
実は私、デパートに勤めていました。幼い頃は〈よそゆき〉を着て、家族でおでかけするのが休日のお楽しみ。お子様ランチを食べたあとは、屋上遊園地へ。それから十数年後、百貨店員となり、その裏側をたっぷりと経験した。独特の流儀、厳しい労働環境、困ったお客さま……。そして今、ひとりの消費者として思うこと。時代を越えて見つめ続けたデパートの姿とは。懐かしさと驚きが満載!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
137
デパートが消費と娯楽の頂点にあった世代なのでタイトルにひかれて購入した。 ノスタルジックな小説を思い描いていたが内容はさにあらず。長野まゆみさんの初作品がエッセイとなってしまう。内容自体はとても充実していて買う立場、働く立場でのデパートを冷静に読みやすく解説している。実際に学生時代に池袋のデパートのデパ地下でバイトをしていた自分でも知らなかった新たな発見があった。2017/02/07
mr.lupin
54
長野まゆみさん初読み。長野さんのデパートに対するエッセイのような読み物だった。長野さんが言うあのころのデパートはそんな感じだったんだ~と思わず納得したりする部分も多々あったりして楽しめた。しかし内容的にはどちらかと言うと女性向きの話が多かったような気がした。もう少しあの頃のデパートの裏話でもあったら良かったのにな。☆★★★★2019/12/05
栗羊羹
50
どのような業界でも、「舞台裏」を見たり読んだりするというのは楽しいものですね!著者のお母様もデパートにお勤めなさったことがあり、「今昔物語」もたくさんありました。以前と比べてキラキラさが無いデパート…これからどのように歩んでいくのでしょうか。2016/07/16
コジ
42
★★★★☆ 百貨店の店員経験のある筆者が語るデパートのあれこれ。筆者が子供の頃、家族で訪れたデパートの相席必至「大食堂」、子供の憧れ「屋上遊園地」、まるでメリーゴーランドのように綺羅びやかな「回るキャンディーワゴン」などの懐かしい思い出話や、店員経験があるからこそ語れる失敗談、館内放送の秘密、よく考えるとちょっとおかしなデパート用語、社員食堂の思い出など。デパートの歴史や時代背景は各種文献から引用して細かく書き込まれていてる。エッセイ的で新書的。後半はデパートの話題が枯渇するのか脱線気味なのが少し残念。2016/09/13
橘
39
面白かったです。長野まゆみさんは昔の頃をよく覚えてらして、デパートの裏側と歴史を興味深く読みました。わたしも大学時代は、地方ですしデパートの規模も違いますが、とあるショッピングセンターの日用品売り場でバイトしていたので、懐かしいところもありました。売り場を地名で表して店内放送で呼び出す、というのは全国的なんだな。守衛さんに鞄の中身を見せてから帰っていたのも懐かしく。もう遠い昔だ…と思いを馳せました。別の職場ですが、紐掛けは今でも役に立っている昔取った杵柄です。小説とは違った味わいがありました。2016/09/03