内容説明
豚の頭をかぶる男、病気の患者を演じる女……。英国SF界のトップランナー、チャイナ・ミエヴィルが、人間のもつシュールで残酷な面を鋭く描き出し心に爪痕をのこす28の物語を収録した短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
神太郎
34
「おおっ!?」となるものと「ふ~ん…うん?」となるものに分かれる短編集だった。ゼッケン、最高のホラーだ。日本的なじわじわっとくるのが最高。バスタード・プロンプト、思い込みが病を作り出す感じ。これもまたじわっとくる怖さだ。コヴハイズ、SF×モンスターパニック。デザインも奇妙な感覚がして面白かった。表題作はあまりピンとこなかったな。3篇程、映画の予告のプロットみたいなのがあってこれは映像作る人がこれに合わせて作ったらなかなか面白そうだなと思った。2024/10/14
ロア
32
難解と平易の振り幅が極端過ぎて精神バランス崩す。後半に行けば行くほどわけ分からなさが増幅して辛い!世界観の新しさや鋭さが痛いほど伝わってくるだけに、それを理解できない自分、バカなのかな?って、悔しさと怒りで半泣き。゚(つД`)゚。ホラーやミステリーは普通に当たり前に理解できる。でも、それ以外はついて行くのがやっとというか、全然ついて行けないというか、難し過ぎて殆ど意味不明な言葉の羅列にしか見えなかった。バスク語習得の刑罰ってこんな感じなのかなっ。゚(つД`)゚。グスン2017/05/13
アーちゃん
28
図書館本。「都市と都市」のチャイナ・ミエヴィルの分厚い短篇集です。全体的にSFというよりはホラー色が強いですが、映画のプロットのような作品もあり、作者の多彩な才能をちりばめた作品集といったところでしょうか。氷山がロンドンの空に浮いているという「ポリニア」、キングのようなホラー「ゼッケン」、おどろおどろしいのですが何とも言えない読後感のあるラストの「デザイン」が印象的でした。2017/02/23
小太郎
17
「ベルディード・ストリート・ステーション」を読んでから好きな作家です。長編作家かなと思ってたんだけどこの本は短編集。なんとそれも28篇。もともとサクサク読めるタイプの作家じゃないので、短編なら読み易いかなと少し期待しましたけど、そこはやっぱりチャイナ・ミエヴァルなかなか大変でした(笑)それにしてもよくこんなへんてこな事考えるな~というのが一番の感想です。とにかく28篇玉石混交の一冊ですジャンルはホラーからハードまで多種多彩でした。読み辛いのは翻訳のせいかなと思ってんだけどこの本は3人の訳者なので違うな~2018/01/29
橘
15
短篇ながらも、注意深く、大胆に読み進め。未だ無い事象を、当事者然として自由に言語化する才能。先の読めない異形の世界からは、決して目を逸らせない。2017/03/12