内容説明
“根拠なしポジティブ”の現代のフリーターと、昭和19年の「海の若鷲」にあこがれる軍国青年が時空を超えて入れ替わった! それぞれの環境に順応しつつも、ふたりはなんとか元の時代に戻ろうとするが……。未来を知る者と、過去を知る者。ふたりの「19歳」を通して描く、あの時代、あの戦争。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
315
『いつか誰にもまねのできないすごいことをする』と嘯き現代のプレッシャーから逃げるように生きる健太、サーフィン中に波に飲まれ、跳んだ!『国を、大切なモノを守るんだ、命を懸けて』と戦時の飛行練習に意気込む吾一、突然機体が揺れ、跳んだ!互いの肉体と時代が入れ替わった!戦時の若者吾一は現代の軽薄でカラフルな未来を嘆き、現代の若者健太は戦時の理不尽に怒り翻弄される。互いのカルチャーショックをコミカルに描く。残り100頁から展開激変!彼女の生と命!誰が守る?自分が守るに決まってんだろ!切なく響く戦争特攻の一幕‼️🙇2020/08/22
しんたろー
163
荻原さんのタイムスリップ・ファンタジー。外見がソックリな、現代の健太と戦時中の吾一が入れ替わる物語…ありがちな設定ではあるが荻原流の味付けで飽きさせずに読ませてくれる。両主役を微笑みながら応援できるのがイイし、双方のヒロイン・ミナミと文子も健気で愛おしい。時代を交互に描く事で平和や人生観についても素直に考えさせられた。藤岡さんの『晴れたらいいね』を読んだ時も感じたが、今の当たり前や便利さを省みたり感謝しなくてはと思った。荻原さん作品としては読メで読んでいる人が少ないが、もっと多くの人に読んで欲しい良作。2017/09/13
まこみん
106
現代(2001年)のチャラ男の健太と1944年の海軍飛行術練習生の吾一がタイムスリップして入れ替わってしまう。海軍航空隊での詳細な描写、繰り返される理不尽な折檻虐待。健太の見聞きする事全てが悪夢の過酷過ぎる日々。一方の吾一は、未来の日本と日本人の姿に初めは唖然とし驚嘆ばかりだったが、次第に身を呈して守ろうとした日本国の軽薄さに嘆きながらも、健太の恋人ミナミに惹かれていく。私は「回天」という魚雷での特攻の事は知らなかった。終盤の潜水艇での息詰まる緊張感と健太の決断。ミナミの元へ還って来たのはあの彼!?2017/08/11
ちーたん
91
★★★★★終戦記念日の8/15ギリギリ読み切れた!歴史上でしか戦争を知らない『健太』と戦争真っ只中の飛行兵『吾一』が死の淵の体験からなぜか入れ替わってしまうお話。2人の見てくれは瓜ふたつ!でも生きてきた時代が全く違うから戸惑い続け…◆荻原さんらしいタッチでコミカルに仕上げながら、戦時の人々の奥ゆかしい思いや考え方、御国のためにの精神に触れる。多くの尊い命の犠牲があって思いがあって今がある事に感謝したくなる1冊📕最後まで引き込まれて読んだ!ここで終わっちゃうの?っていうラスト含めお気に入りの1冊になった✨2020/08/15
taiko
68
2001年に暮らすフリーターの健太、1944年に海軍の飛行兵として生きる吾一、ふたりが同時にタイムスリップし、それぞれの時代で入れ変わった。… 現代人から見た戦争、昔の人から見た今が、良く表現されていて、とても面白かった。 健太の気持ちは共感に値するもの。 一方、吾一の、未来を嘆く気持ちと言うのは、いい着眼点だなと思わされた。 ファンタジーコメディ風ではあるが、テーマが戦争なので、考えさせられることは多数有り。 そして、二人の関係性が上手く繋がることには感心しきり。→続く 2017/10/14




