内容説明
昭和八年、神戸で行われた『国際文学大会』に出席していたロシア人二人が失踪した。一人は、家宝のヴァイオリンを持って来日した演奏家アレクセイ・クラーギン。もう一人は満州から来た小説家ウラジーミル・マカロフだった。事件に巻き込まれた書生の庄野は、クラーギンの友人でもある美貌の伯爵子息・小須賀光に助けを求める。 事件は、国際的陰謀に発展。小須賀自身の秘密も明らかに!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
61
シリーズ最後?この世界大戦前の空気感と世情が上手く取り入れられています。それでも、まだ戦争は近くて遠く、まだ芸術家にも生きる道があるように見えていた時期ですね。今回は故郷を永遠に追われた露西亜の人達の望郷の気持ちが切ないお話でした。なんだかんだ言いながらも、息ぴったりな小須賀と庄野。『真実は表面に宿る』真実が見えてからも、さらにひとひねりあり、なかなか読み応えがありました。おまけの小編で神社への手土産にクリスマスケーキを準備した小須賀のイタズラが好き。うん、なかなか楽しめたシリーズでした。2019/09/23
しゅてふぁん
28
今回の舞台は神戸。オリエンタルホテル、旧居留地、北野、南京町…神戸の名所がわんさか出て来た。中村翁の孫娘、薫子嬢の行動に若干イラっとし、庄野君には大いに同情した。世界情勢に詳しくなくても伝わってくる不穏な気配。小須賀はさぞ生きにくいだろうな。小須賀の生い立ちの謎も明かされてないし、ぜひとも続刊が出て欲しい。舞台は東京!なんてのもいいな。薫子嬢と庄野君の東京デート(?)も覗いてみたい(笑)2018/07/23
はなうさぎ
7
今回は京都を飛び出し神戸での事件。中村翁の孫娘も登場し賑やかな人物郡。とはいえ時代は着々と雲行きの怪しい方向へ向かっていき、なんと国際的陰謀に。所変われど藤井大尉登場で小須賀との渡り合いも健在。こういう切れ者合戦って結構好きかも。けれどもその掛け合いが小須賀の行く末を暗示しているようで心穏やかじゃない。頑なに自身を鎧で覆う小須賀が心に抱える憂いを垣間見せる今回。天然の庄野君が少しずつ彼の心を溶かしていっている様子が微笑ましい。魅力的な登場人物そして悲哀と憂いを表す描き方が良い。次作が出ることを期待します。2019/07/16
月華
4
図書館 終わってみれば、様々な思惑が交錯していました。あちらこちらで見えない火花が満載でした。2017/08/02
あにか
3
亡命者たちが二度と戻れない祖国を想う気持ちが悲しくて辛かった。世界が戦争へ向かって進んでいく中で小須賀と庄野君はどうなってしまうのだろう…悲しい話だったけれど、庄野君が元気過ぎる薫子嬢に振り回される姿が面白かった。オマケで付いていた斎藤家訪問のショートショートも小須賀に弄られる庄野君が見れて良かった。斎藤君のご実家はもしや湊川神社なのかな?それならとんでもないお坊ちゃんだな!気に入ったシリーズなのでまた続きが読みたいなぁ。☆52017/03/13
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