内容説明
林家たい平のテレビじゃ見られない落語家の顔。その卓越した話芸の中でも、現代的なセンスがもっとも輝く「まくら」をズラリと並べてご機嫌を伺います。寄席の世界の愉快な人々、師匠や家族との爆笑エピソード、取り直した運転免許の顛末、花見の風情、震災と原子炉問題に対する痛烈な風刺まで「林家たい平」にかかると世の中がたまらなく面白い。卓越した人物描写、庶民の批判眼、天賦の話術で語られる長短33編でお楽しみの程を願います。
ご通家の方には、もう一つのお楽しみ。「まくら」の内容から、その後に続く古典落語を推理する「演目当てクイズ」付。是非お試しを。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
s-kozy
61
非常に危険な一冊と言わずばなるまい。何度電車の中で、公衆の面前で吹き出しそうになったことか。「まくら」とは落語の本筋に入る前に、その演目の世界へスムーズに誘っていくための短いお噺のこと。本書は当代の売れっ子落語家の一人である林家たい平の「まくら」をその独演会を中心に集めて紙上再録したもの。さすが、喋りのプロ。テンポのいい、小気味のいいお噺の数々に次々と笑わされる。また芸に真摯に向き合っているのであろう発言も垣間見られ、師の人柄に親近感を抱ける。あの地震の30日後に開催した独演会のまくらは感動ものです。2015/11/04
やまねっと
4
僕は今の時点で生でたい平を観たのは一度しかない。あと笑点もあまり観ないから、この本を読んでどういうテンションで話しているのかがはっきりとわからない。 読んでて飽きなかったからそれなりに面白いのだろうが…。 小三治のまくらとかはあの飄々と喋る小三治を想像できやすいから読んでて面白いが、この本の爆笑って書かれているところが、たい平が笑っているのか客が笑っているか判然としないからイマイチ面白さが伝わらないと思った。 まあまくらだし。それなりに面白いけど、別にためになるわけでもない。 座布団はあげられないね。2019/09/15
へいがぁ
4
まくら集なので、肩肘はらずに読めました。CDで聞いたようなものもありましたが、楽しかったです。2015/11/08
qoop
4
たい平師らしい明るく温かみのあるユーモアにあふれ、そして真面目さが透けて見えるマクラの数々。独演会から収録されているせいか観客との良好な関係も伺えて、それがまた師らしい。久しく聴いていないけれど機会を作らないと勿体ないな、と改めて思った。それぞれのマクラから本編の演目を当てるクイズ付きだが、正直難しかった。半分も当たらず。2015/09/07
Decoy
1
さらっと読める。「まくらなのに、壮大なストーリー」とか「意外と毒舌」といったことはまったくないが、人柄の良さは伝わってくる。2022/05/10