内容説明
八八の寺院を巡る四国遍路の姿を決定づけた、ある僧の案内記。貧困、病気、差別に苦しめられた巡礼者たちの記録。評判を呼んだ新聞記者による遍路道中記。バスや鉄道の登場がもたらした遍路道の変革――。本書では、近世以降の史料を博捜し、伝説と史実がないまぜになった四国遍路の実態を再現する。千数百キロの遍路道を歩く巡礼者と、彼らと相対した地域住民。これまで語られてこなかった彼らの実像に光を当てる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ニコン
25
新聞記事や雑誌の記事までも集め、四国遍路の歴史などがよく解ります。明治時代には、新聞の連載で二人の記者がそれぞれ逆回りをしてどこで会うかの競争もあったなど興味深い話も。読みやすい本です。2015/03/08
yamahiko
23
ずっと抱きつづけていた四国巡礼に対する過剰な幻想を打ち砕いてくれたました。そのうえで、いつかは自分なりに歩いてみたいと思わせてくれた一冊でした。2018/08/20
ようはん
17
四国遍路も今だと一種のレジャー化はしてはいるものの、かつてはハンセン病の患者が巡礼していた事や行き倒れの巡礼者等を巡る地元のゴタゴタの下りは闇が深い。2023/09/17
本棚葬
15
自分は小説や漫画から四国遍路に流れ着いた者なので、どうしても情緒とか風情に興味が偏りがちになる。歩き遍路に出る前にざっくりとした四国遍路の知識を身につけておかなければ、と思って手に取ったのがこの本。遍路の始まりから現代までの歴史や文化的背景が読みやすくまとめてあり、なるほどと腑に落ちることが多かった。予備知識を持たずに信仰心だけで遍路に出るのが本来の姿なんだろうけどね。2025/11/18
遊々亭おさる
15
ハンセン病を患い、棄民となった親子が白装束に身を包み荒涼たる道を肩を寄せあいながら歩く…。松本清張『砂の器』の巡礼者のイメージと宗派やルールを問わない緩やかな巡礼やギブアンドテイクの関係のお接待など日本的な宗教感が詰まっているような四国遍路の裏と表、そしてその変容を纏めた一冊。祈り・観光・国家による政治利用…。時代により万華鏡のように様々な顔を見せる四国遍路。『砂の器』のあの男は何を思い、何を祈りながら帰るあてのない旅を続けていたのだろうか。世界遺産を目指す四国遍路は開創1200年を迎えたと言われる。2015/10/17




