内容説明
「馬の首」と呼ばれる暗黒星雲には、犬に似た知的生物が住む星があった。
ところがここで戦乱が勃発、戦闘は急速にエスカレートしていく。
この機に乗じて一儲けをたくらむ行商人「戦争婆さん」もその波に呑まれ、4人の息子たちがひとり、またひとりと戦渦に巻き込まれていく。
彼らの運命は、一大宇宙船の趨勢を決定づけることになるのだが……
戦果の悲惨さ、滑稽さ、カッコよさ、すべてを内包して疾走する、筒井康隆第2長編SF。
〈解説・日下三蔵〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
29
☆4.5 筒井氏34冊目。67年に書かれた作者2作目の長編小説。母ちゃんと4人の息子+軍人たちその他のキャラクターや行動が個性あふれていてとても面白い。地球じゃない星、人間じゃない種族でもいざとなると醜いまでに自己中心的になるなど本質は一緒らしい。「戦争反対」の想いが強く伝わってくる。2021/07/06
タルシル📖ヨムノスキー
28
戦争で金儲けをするばあさんと、4人の息子の物語。今までSFとか戦争モノって、ほとんど読んだことなくて、ファンタジー同様、世界観を掴むまでに時間がかかったものの、読み始めてみれば、違和感があったのは登場人物の名前くらいで、中身は、かなり濃厚な戦争小説でした。人はなぜ、何のために戦争をするのか?なぜ戦争はなくならないのか??人は追い詰められるとここまで残酷になれるのかと、いろいろ考えさせられました。最後は「ええっここで終わり!?」って展開で、なんか連載漫画の打ち切り回みたいで、これにも驚いた。2019/03/08
kinupon
22
全く古さを感じない作品です。初期の短編はいいですね。2011/10/21
月世界旅行したい
13
大傑作。オールタイムベストのランキングに入らないのは不思議かも。2018/10/20
glaciers courtesy
13
御大に対して失礼な言い方だが、小説としてはマズマズの出来であって、筒井ファン以外に薦めるものではない。でも筒井があとがきで書いているように、SFならではの設定・ストーリーは確かに楽しめる。「卑民」ズンドローの誠実だが鈍重なキャラクターもそうだし、農民軍の無軌道な放火・殺人・暴行などは現実を舞台にした小説ではなかなか描けない戦争の真実の部分だろう。そして感心したのは筒井があとがきで「戦争のカッコいい部分も描いた」と書いているところだ。戦争の悲惨を知っているだけでは見えてこない、もう一つの戦争の姿なのだよな。2016/03/01
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