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内容説明
視聴率三冠・無敵のフジをどう破ったのか。
『俺たちひょうきん族』等のバラエティやドラマの成功で視聴率の王者だったフジテレビの黄金時代のこと。
低迷する日本テレビは、若手社員13名を集めてライバル局の徹底分析を開始します。その方法は、フジと日テレの全番組を録画し、特大の方眼紙に視聴率のグラフをつくり、1分1秒ごとに番組やCMの内容を書き出していくというアナログな作業でした。しかし、この地道な努力が様々な戦術(「コーヒーシュガー理論、タイ焼きのシッポ理論、紙ヒコーキ理論)を生み、フジテレビの真似をしない企業文化を作り、日本テレビの黄金時代につながっていきます。
今や、民放バラエティ番組の視聴率上位20番組のうち、16番組は日テレの番組(2016年4、5月期)。2014年、15年と日テレは視聴率三冠王でした。
すっかり視聴率の王者となった日テレですが、この原点は前述の分析・研究にありました。
無敵のフジを破った、大逆転のマーケティング術を、当時、分析に従事した著者が初めて公開します!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
thee birdmen
31
同業者として色々と思うところはありますが、いかにして会社の企業イメージを作り、浸透させ、そして業界のトップに立つのか、という点についてはどんな業界にも通じることかもしれませんね。 ただ、結局一番記憶に残ったのは、テレビというメディアも還暦を過ぎたという言葉。 作り手として、この先この夢の箱の中に一体どんな可能性を見出せるのか、そんなことを思い少し憂鬱にもなったりして。色々考えるきっかけになりました。2019/06/08
ちさと
23
打倒フジテレビを掲げて視聴率トップを目指す、90年代の日本テレビの戦略経緯を紹介しています。改善を継続する、地道な分析作業の徹底、「視聴率至上主義」というぶれない軸、などなど。プロジェクトXを観ているようです。メディアが多様化する中テレビ局の生き残り合戦はこれから。インターネットとの共生によってどんな試みがなされるのか楽しみ。テレビ見ないけど。2018/10/02
Kazuo Ebihara
4
著者は、日本テレビの元編成局エグゼクティブディレクター。 12年連続視聴率3冠のフジテレビの牙城を崩し、視聴率4冠となった日本テレビの戦略戦術を公開した。 フジテレビと日本テレビの全番組を録画し、秒単位での番組やCMの内容を書き出し、視聴率の変化との関係を分析。視聴者が途中でチャンネルを変えないように番組の内容、CMの入れ方から抜本的に改革した。 創り手優先のテレビ局に、受け手優先のマーケティング視点を導入したことが日テレ勝利の鍵となったようだ。 「それって、日テレ」「ソ連て、日敵」あわわ~、恐ロシア。 2017/01/03
shigeki kishimura
3
ひとつの番組内での流れだけではなく、前後の番組を含めて流れをつくることでチャンネルを変えられないようにする。全体設計から個別最適に落としていくのはどこの世界でも必要なことなのだと。2019/06/11
Hiro A
3
目標を定める。現状を分析する。敵を知り自己を知る。最終的な目標のためには部分最適を捨てる勇気を持つ。トップがバックにつく。組織を最適化する。すぐ結果が出なくても我慢する。ダメなものは早く切り捨て根本から変える。テレビ史としてみても面白いが、企業の組織変革ストーリーとして大変参考になる。2017/02/23